CSR企業ランキング2013、ここに名のない大手企業の実態は

2013年04月06日 20:10

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東洋経済が発表した「CSR企業ランキング2013」において、総合評価でトップとなったトヨタ自動車。

 今や企業の活動を図る指標の一つとして定着しつつあるCSR活動。「社会の社会的責任」と訳される日本におけるCSR活動は、環境保全活動や震災の復興支援など、社会貢献活動がその主となっている。このCSR活動につき、東洋経済が「CSR企業ランキング2013」を発表した。

 CSRの取り組みの充実度と財務内容から「信頼される会社」を見つけることを目的としたCSR企業ランキングも今年で7回目。今回は114のCSR項目と15の財務項目のデータでの総合評価となっており、上場企業が1073社、未上場企業55社がその対象となっている。

 結果、総合評価でトップとなったのはトヨタ自動車<7203>である。トヨタ自動車が1位となったのは2年ぶり2回目。「ステークスホルダーの笑顔のために」という標語の下、8つの決意に基づいたCSR活動を展開しており、社会貢献活動支出はトップクラス、環境分野でも2位となっており、人材活用などでも評価を上げている。トヨタにトップを明け渡し2位となったのが富士フィルムホールディングス<4901>。以下、NTTドコモ<9437>、ソニー<6758>、日産自動車<7201>と続いており、同ランキングには大手企業・有名企業が軒並み名を連ねている。

 こうした中、日本のみならず世界にもその活動を広げ、新たな取り組みにも積極的であり、今や日本を代表する企業の一つとも言える企業の名が見えない。それがファーストリテイリングである。ファーストリテイリングもCSR活動に消極的な訳ではない。「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というステートメントの下、社会との調和ある発展を目指しているファーストリテイリング。同社のCSRレポートからは、他の企業同様の環境活動や社会貢献活動の実態が見受けられる。にも関わらず同社の名前が見受けられないのは、東洋経済によるアンケート調査に回答をしなかった等の理由が考えられるが、真相はどうなのか。同社のCSRレポートには労働時間の虚偽報告の例や、中国における児童労働の例が挙げられており、国内でもブラック企業との噂は絶えない。こうした状況は、東洋経済によるランキングの評価項目のうち、「人材活用」の評価に関わってくることであろう。いずれにせよ、「信頼される会社」を見つけることを目的としている調査結果に出て来ないということは、有名・有力企業にとってあまり好ましいことではない。企業によるCSR活動が、表向きのPRに過ぎないのか、真に社会貢献を目的としたものなのか。このランキングでの評価が絶対的な指標とは言えないが、大きな尺度の一つとなることに間違いはないであろう。(編集担当:井畑学)