「Xデー」が来て防衛関連は三菱重工<7011>が3円高、池上通信機<6771>が7円高でともに年初来高値を更新したが、後場は上げ幅を大きく圧縮した。前日まで勢いがあった石川製作所<6208>は22円下落し値下がり率2位。防衛省に軍用機の計器を納める東京計器<7721>も12円安で値下がり率11位だった。鳥インフルエンザ関連銘柄として4日間で株価が2倍以上になる快進撃を見せた大幸薬品<4574>には急ブレーキがかかり、232円安で値下がり率1位になった。
前日に決算発表を行ったファミリーマート<8028>は4期連続最高益で今期は4.6%増の増益見通しを出しながら390円安と大きく売り込まれた。その理由は「年間約1500店舗」という新規出店がアナリストから「多すぎる」と辛口の評価を受けたことと、増益幅がアナリスト予測を下回ったこと。同じく前日決算発表の百貨店2銘柄は、今期見通しが増益でもその数字がアナリスト予測を上回った高島屋<8233>は22円高で、下回ったJフロントリテイリング<3086>は38円安と明暗を分けた。決算発表後の株価にアナリストの予測、評価がもたらす影響力はあなどれない。イオン<8267>は73円高で年初来高値更新。セブン&アイHD<3382>も90円だった。ホームセンターのDCMHD<3050>の2月期決算は最終利益が過去最高で、今期はさらに3%増の見通しで51円高で年初来高値更新。一方、ドラッグストアのスギHD<7649>の2月期決算は経常利益18%増でも今期見通しは7%減なので値動きなし。重要なのは結果よりも見通しか。その他、スキー用品店のヒマラヤ<7514>が春なのにストップ高の150円高で年初来高値を更新し値上がり率5位に入っていた。
不動産はこの日も全体的に調整が続き、三井不動産<8801>は20円安、住友不動産<8830>は110円安、東京建物<8804>は8円安だったが、東急不動産<8815>は10円高、三菱地所<8802>は90円高。その他金融はオリコ<8585>が13円安、アイフル<8515>が45円安とふるわなかった。
じりじり下げて150円安で7日ぶりの反落になったソフトバンク<9984>は、日経平均だけでなく50円安のKDDI<9433>とともに情報・通信セクターの騰落率の足も引っ張った。クレディセゾン<8253>は45円安で続落。主力株では信越化学<4063>、値下がり率10位のアマダ<6113>、三菱倉庫<9301>、クラレ<3405>などが下げ、ファーストリテイリング<9983>も250円安で終えている。
この日の主役はインフラ補修の「国土強靱化関連銘柄」。PS三菱<1871>は38円高で、69円高で値上がり率4位の東亜道路<1882>と46円高で同13位の日本道路<1884>は年初来高値を更新した。日本橋梁<5912>が23円高で値上がり率6位、売買高12位になり、宮地エンジニアリングG<3431>が13円高、横河ブリッヂHD<5911>も36円高と買われたが、ニュースでこの日、開通25周年を迎えた瀬戸大橋に金属疲労による亀裂が入り錆びていた映像が繰り返し流れたのと無関係ではなさそうだ。2年後に北海道新幹線の新青森~新函館間が開業予定だが、新幹線が走る青函トンネルも瀬戸大橋と同じく完成後25年が経過している。(編集担当:寺尾淳)