内閣府が行った保健医療分野の国際協力に関する特別世論調査で、回答者の57.9%が資金援助を増額すべき(どちらかといえば増額すべきを含む)と、一層の協力を行うべき、と思っていることが分かった。
また、相手国に直接支援する支援先国と関係強化が図りやすい「2国間支援」(相手国に直接支援する)か、国連など国際機関を通して世界の国々と一緒に支援する「多国間支援」か、どちらを重視すべきかとの問いでは、多国間支援をすべきとの回答者が57.8%にのぼり、2国間支援は32.1%だった。
調査は今年6月17日から27日にかけて、調査員の個別面接聴取により実施され、全国の20歳以上の1942人から有効回答を得た。
今後、重点を置くべき国際協力分野についても「保健医療」をあげた人が最も多く73.1%、次いで「水と衛生」(68.2%)「教育」(54.7%)だった。「保健医療」への支援に重点を置くべきとした理由の第1は「生死に直接かかわる分野が多いから」というものだった。
一方で、発展途上国に対する保健医療分野の支援内容を知っていたのは6.6%にとどまり、支援のあることを知らなかったとする人が25.7%など、認知度の低いことも浮き彫りになった。
保健医療分野ではエイズや結核、マラリアなどの病気予防や治療、罹患者のケア、サポート、予防接種への支援、医療施設の整備、保健医療分野に携わる人材の育成、望まない妊娠を避けるための啓発活動や避妊具や薬の配布などの活動が行われてきた。
また、2008年に日本が行った発展途上国に対する保健医療分野への支援額は約556億円で、国民1人あたりに換算して436円になっている。
(編集担当:福角忠夫)