PCを変貌させるプロセッサ「Haswell」、その実力は?

2013年04月17日 17:08

 インテルは2013年を「PC再発明の年」と位置付けている。その根拠であり、おそらく今年度最大級のITトレンドとなるであろう、同社の次世代Coreプロセッサ「Haswell」。去る4月2日、ついにそのHaswellの出荷が開始されたとの報道が出た。早ければ今年末から来年年明けにでも、Haswell搭載PCが店頭に並ぶかもしれない。また、14年にはNVIDIAから次世代GPU「Maxwell」が発売されるといわれている。これらが出揃うと、確かにインテルの公言している通り、PC再発明ともいえる大革命が起こるかもしれない。

 インテルが開発している次世代Coreプロセッサ「Haswell」の、現在公表されている情報の中での一番の特徴は、圧倒的なバッテリ駆動時間だ。Haswellの消費電力は、前世代のCPUよりも約20分の1も減少させることに成功している。そのインパクトは、インテルの上級役員であるカーク・スカーゲン氏曰く「もはや大きなACアダプタやケーブルを持ち歩く必要はなくなるだろう」と豪語するほど。極端な話だが、一日中Ultrabookをバッテリ駆動で利用することができるくらいの大幅な伸び幅だといわれ、少なくともバッテリのみで10時間以上の駆動が可能になるのは、ほぼ確実とみられているのだ。

 また、プロセッサの省電力化によって、バッテリの駆動時間はもちろん、熱処理を減少することでPCそのものをさらに薄型にすることも可能だ。現行品でもすでにUltrabookなどで行なわれ、高評価を得ているが、今よりもさらに熱設計の枠とパフォーマンスの関係を、より幅広く取れるので、薄型のデザイン性豊かなPCを設計しやすくなるだろう。さらに、タブレットで利用できるところまで低減されているとインテル自身が述べていることからも、タブレット型とノート型、それぞれの長所を活かして、従来の常識にとらわれないデザイン性の高いPCが生まれる可能性も高い。

 インテルが「PC再発明の年」というように、ここ十数年に渡って守られてきた、デスクトップやノートという固定的な概念そのものが根底からくつがえり、全く新しいPCが登場することで、我々の生活スタイルまで改革を迫られることになるかもしれない。(編集担当:樋口隆)