【日経平均】3日続落で13800円を割り込む5月相場入り

2013年05月01日 20:25

 NYダウは21ドル高で4日続伸。ファイザーの決算やシカゴ購買部協会景況指数は悪かったが、S&P/ケース・シラー住宅価格指数、消費者信頼感指数は良く、初日の討議が始まったFOMC(連邦公開市場委員会)ではQE3当面継続が濃厚とみられ午後はプラス圏に乗せて終えた。最近は決算も経済指標も「まちまち」が多くアメリカの景気から力強さが失われており、ドル高の推進力の低下を反映してか5月1日朝方の為替レートはドル円は一時96円台になり97円台前半、ユーロ円は128円台前半で円高傾向が続いた。

 ウォール街には「Sell in May and go away(5月に売って逃げろ)」という縁起の悪い言い伝えもある5月の初日の日経平均は23.14円安の13837.72円で始まった。一時13800円を割り込んだが、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI/物資購入連合会)が市場予測を下回る50.6でもほとんど影響はなく、徐々に下げ幅を縮める展開。後場は逆に徐々に下げ幅をひろげ再び13800円を割り込んだ後、16円安まで上昇して最後はプラスに浮上するかと思いきや、前日同様、大引け前に下げて終値は13800円を割り込み61.51円安の13799.35円で3日続落。値上がり銘柄688よりも値下がり銘柄898のほうが多くTOPIXも-6.76の1158.37と反落した。メーデーで香港も上海もソウルもムンバイも証券取引所が休場では東京市場も盛り上がりを欠き、売買高は30億株、売買代金は2兆4181億円と低調だった。

 上昇セクター上位はパルプ・紙、水産、海運、不動産、電気・ガス、陸運などで、下落セクター下位は空運、証券、機械、輸送用機器、保険、医薬品などだった。

 この日もファナック<6954>は元気なく続落し320円安で日経平均を12円押し下げ、300円高で12円押し上げたファーストリテイリング<9983>とイーブン。ソフトバンク<9984>は前期の営業利益が過去最高になったものの80円安で9円押し下げた。

 前日に続き円高の影響で輸出関連銘柄が軟調で、自動車株はホンダ<7267>が55円安、トヨタ<7203>が90円安、富士重工<7270>が50円安。それでもスズキ<7269>は39円高で続伸した。ハイテク系もTDK<6762>が140円安、京セラ<6971>が130円安、アルプス電気<6770>が66円安で値下がり率5位、リコー<7752>が25円安、キヤノン<7751>が4日続落して55円安。それでも富士フイルムHD<4901>は131円高、日揮<1963>は95円高、テルモ<4543>は75円高、三菱電機<6503>が34円高で、いずれも年初来高値を更新している。決算発表を終えた海運大手は揃って好調で、日本郵船<9101>は3円高、商船三井<9104>は13円高で年初来高値を更新し、売買高ランキングの常連、川崎汽船<9107>は9円高だった。

 前日発表の四半期決算がよかった花王<4452>が85円高で年初来高値を更新するなど内需ディフェンシブ系は堅調で、125円高の住友不動産<8830>、55円高の三井不動産<8801>、38円高のよみうりランド<9671>など不動産・含み資産関連銘柄も買われ、ランド<8918>は売買高ランキング1位になった。この銘柄は値上がり率ランキング1位になった池上通信機<6771>ともども前日終値が2ケタで、前日のティアック<6803>同様、GWを機会に株式投資に入門する初心者の間で10万円以下で買える「練習用銘柄」として人気化したか?

 小型株物色は前日に引き続き盛んで、値上がり率6位のKlab<3656>、売買代金10位のドワンゴ<3715>はともにストップ高。GW前半は国内旅行が非常に好調と伝えられ宿泊予約サイトの一休<2450>が値上がり率16位に入っていた。