行財政基盤の確立に向けて国が推進してきた「平成の大合併」の音頭のもと、全国市町村の数は1999年(平成11年)当時の3232市町村から、今年3月31日には1730市町村にまで減少することが分かった。総務省がまとめた。
それによると、合併により、専門職員の配置が可能になるなど住民サービスの充実強化や公共施設の統廃合などによる行財政の効率化、少子高齢化への対応、広域的なまちづくりで効果がみられた、と合併を評価する一方、周辺部の旧市町村の活力喪失や住民の声が届きにくくなった、住民サービスが低下した、旧市町村地域の伝統や文化、歴史的な地名などが喪失されたという問題点や課題も浮き彫りにされた。
総務省によると、1999年4月には、全国に671市、1990町、568村の合わせて3229市町村が存在したが、平成の大合併で当時の与党3党(自公保守)が自治体数を1000にするという目標も掲げ市町村合併を推進してきた結果、今年3月末には786市、757町、187村と1730市町村にまで、合併がすすんだとしている。
合併した自治体の74.5%は合併した理由として、「財政状況」をあげ、合併の目標としてあがった「地方分権の推進」(61.3%)より、自主財源の脆弱さが合併を選択するほかなかったという実態を改めて浮き彫りにしていた。
(編集担当:福角忠夫)