自民党の高市早苗政調会長は自身のブログで憲法改正への期待を語り、憲法の役割について「国家目標の設定や国民の行為規範としての役割を重視すべきだと考えている」と「授権規範の役割を重視する立場」であることを明らかにしている。
憲法の役割については、公権力の行使を制限する最高法規としての解釈が一般的。自民党の憲法改正草案が公権力の行使制限より、むしろ国民の行為規範にシフトした内容になっているのは、高市政調会長の視点と一致している。
高市政調会長は「憲法改正に反対しておられる政党は憲法の制限規範(公権力の行使を制限する規範)としての役割を重視する考え方に立っているように感じる」。「公権力が強くなることを警戒しておられるようです」との認識を示している。
憲法の役割が時の権力者と国民との約束における公権力行使の制限にあることを考えれば当然のことで、共産党や社民党などは制限規範としての立場にある。護憲派は表現の自由、思想・信条の自由、集会結社の自由などが自民党の改正草案にある「公益及び公の秩序」というあいまいな概念の下に制限される危険性は払拭されておらず、憲法が時の権力により国民をコントロールする根拠の最高法規になるようなことはあってはならないとしている。(編集担当:森高龍二)