橋本大阪市長の慰安婦発言世界に波紋

2013年05月21日 20:23

 日本維新会共同代表・橋本徹大阪市長の慰安婦問題発言が、日本国内のみならず、世界で波紋を起こしている。13日「慰安婦は、必要だった」「米軍は、風俗営業の活用を」との発言に、各方面からブーイングが沸き起こっている。

 こうした情勢に橋本市長は、翌15日記者団の前で、「慰安婦は許されることではない」「米軍の犯罪についてそれくらい真剣に考えてということだ」と発言が幾分トーンダウンしたものの、発言自体の撤回はしていない。

 この発言の波紋は、国内はもとより遠く海外まで波及している。

 阿部首相は「阿部内閣自民党の立場とは全く違う発言」としており、民主党は「そうした発言は、外交上見逃すことはできない」(細野幹事長)と厳しく批判している。

 また超党派の女性議員が集まり、「女性の人権を踏みにじる発言だ」と橋本大阪市長を糾弾している。国内でのこうした発言は、7月の参議院選挙に大きな影響を及ぼすことは必至だ。特に影響を与えるのが、みんなの党の渡辺代表の「もしこれが党としての発言であればわが党としては一線を画す」との発言だ。みんなの党と維新会は選挙協力することで話し合いを進めている現在、これが破たんすると、民主党も含めて、野党協力体制は全く考えられず、自民党の一人勝ちになる可能性が大きくなったといえるだろう

 一方海外からの声も手厳しい。元慰安婦への謝罪と賠償を求める韓国は「歴史認識と女性の人格意識の欠如を示した発言に深く失望した」と痛烈に批判。諸問題を抱え日本との関係が冷え切っている中国は「日本の政治家が公然と人権を踏みにじり歴史の正義に挑戦したことに驚きと強い憤慨を表明する」と強い調子で橋本市長を批判した。また米軍への発言に対して、米国防省報道官は、「米国が買春を推奨しないのは、言うまでもない」と不快感を示している。

 こうした波紋が大きくなれば、日本の国益を損なう恐れさえ出て来るであろう。(編集担当:犬藤直也)