スマホでボート免許が取得できる!?マリンレジャーの新時代をYAMAHAが拓く

2013年05月05日 16:41

 ヤマハ発動機では、同社が運営する「ヤマハボート免許教室」の新しい免許教室受講システムとして、2013年4月1日から、インターネットを利用して学科講習ができる「スマ免」の運営を開始している。

 これまでボート免許を取得するためには、学科講習1日、実技講習1日の受講を経て1日を要する国家試験に挑戦する手順だったが、スマ免を利用すると学科講習に相当するプログラムを国家試験までにパソコンなどで学習することになる。免許取得までに3日が必要だったところ、学科講習にまる1日をさくことがなくなる。タブレット端末やスマホを使えば、自宅はもちろん、通勤・通学の電車内や会社の休憩時間など好きな時間に動画や音声で講習を受けられるほか、国家試験の過去問題を500問集めた「練習問題」や本番さながらの「試験シミュレーション」などを繰り返し学習できる。さらに、特に暗記が必要な問題だけを集めた「暗記対策アプリ」も用意されるなど、受講者のニーズにきめ細かく対応している。

 スマ免は2級小型船舶免許(総トン数20トン未満または全長24メートル未満のプレジャーボートを沿岸から5海里(約9km)以内で操船可能。取得可能年齢は16歳以上)の取得に限定して運営され、講習費用はヤマハ発動機の運営する従来のコースに比べて7000円安い5万6000円。

 一方、ヤマハ発動機では、ボート免許をすでに取得している人に対して、手軽にボートレジャーが楽しめる会員制マリンクラブのSea-Styleを運営して好評を博している。このSea-Styleに水上バイクのMJ-VX DXを用意。それと同時に水上バイクのみを楽しめる「Sea-Style JET」というコースを新設。2013年4月1日より運用を始めた。初年度の計画募集人数は500名で、入会金2万1000円(マリンジェットライディングスクールの受講費用を含む)、月会費1575円で、全国17か所のSea-Style JETのホームゲレンデが利用できる。ちなみにホームゲレンデは、順次増設していく予定だ。

 ところで日本にはおよそ570か所のマリーナとヨットハーバーがあり、水上バイクの拠点はさらに多い。水上バイクのみ操縦が可能な特殊小型船舶免許も含めて、我が国のボート免許保有者はおよそ300万人といわれている(そのうちプレジャーボートを利用するための免許保有者が70%を占めると推定されている)。年間の新規免許取得者は10万人程度。新規免許取得者は若者層が中心となっているものの、免許保有者全体では高齢化が進んでいて、今後免許失効者が急激に増えるとみられている。

 今回のヤマハ発動機のスマ免はボート免許を取得したいという動機づけになる新システム。Sea-StyleおよびSea-Style JETは、マリンレジャーを安心して、気軽に楽しめる新しい提案。回復の兆しが見えている市場への刺激になることが期待されている。(編集担当:帯津冨佐雄)