南海トラフ3地震一元的に推計 地震調査委員会

2013年05月28日 08:25

 政府の地震調査委員会は、南海トラフ(浅い海溝)で起きる大地震の長期予測について、東海・東南海・南海の3地震を、個別に評価するこれまでの手法を見直し、一元的に推計する方針を固めたことを明らかにした。

 南海トラフのどこかで、マグニチュード「M」8以上の地震が30年以内に、起きる確率を60~70%とし、M9級の巨大地震の確率は、算出しない方針。

 南海トラフ沿いで起きる地震は、100~150年周期とされているが、規模にはばらつきがみられる。駿河湾から九州東部沖にかけて延びる南海トラフでは、過去に、M8級の,東海・東南海・南海地震が繰り返し起きている。

 地震調査委は、現在トラフ全体を三つの震源域に分け、過去の発生周期から個別に確率を予測しており、3〇年以内の確率は、今年一月の時点で、東海88%、東南海70~80%、南海60%と評価している。

 しかし過去のケースでは、東海を除く2つの地震がほぼ同時に起きており、1707年の宝永地震では、3つの地震が連動するなど、規模や連動性は、多様なところから南海トラフ全体を一元的に、予測する手法に変更したもの。規模や連動性が多様なことから南海トラフ全体を一元的に捉え予測する手法に変更するとしている。

 またM9級は、過去に起きたことがなく、発生周期が、不明のため、確率の計算は困難と判断、M8級と比べて発生頻度は、非常に低いとの評価にとどまる見通しだ。M9.1の最大級の巨大地震の確率も算出しない方針。

 地震調査委は、震源域が広範囲にわたって東日本大震災で、予測できなかった反省から切迫性が高まっている南海トラフ地震の予測の見直しを進めていた。(編集担当:犬藤直也)