花王(4452)、「エコテクノロジーリサーチセンター」を新設

2009年06月22日 11:00

 花王 <4452> は17日、次世代環境技術の研究開発拠点となる研究施設「エコテクノロジーリサーチセンター(ETRC)」を和歌山事業場内(和歌山市)に新設すると発表した。

 同社は現在、世界規模の事業環境の変化に対応すべく展望として新たな使命を「エコロジーを経営の根幹に据え、清潔・美・健康の分野で世界の人々の”こころ豊かな生活文化の実現”に貢献する企業をめざす」と考えている。そんな今後の指針と決意を示すため、新CI(コーポレート・アイデンティティ)を制定し、環境宣言を掲げた。

 新設する「エコテクノロジーリサーチセンター(ETRC)」の目的は、エコロジー経営のビジョンを実際のモノづくりで具現化するための、環境研究機能の集約と融合を行い、次世代環境技術、特に、エコイノベーション研究・技術開発を加速させることにある。

 同センターは総のべ床面積が約23,000平方メートル。中核となる「本館研究棟」、製品のスケールアップ研究を行う「パイロット研究棟」、植物の育成研究を行う「植物・バイオマス研究棟」の3つから構成されている。10年1月の「本館研究棟」の着工を皮切りに、11年2月には全研究施設が完成する予定。設備投資額は約160億円の見込みとなっている。

 さらに「本館研究棟」内には環境技術経営研究室も完備。同社の環境分野の総合研究拠点となる予定だ。また、「本館研究棟」1階には生活者(主婦、学生、ビジネスマンなど)との交流エリアとして環境の先端技術を体験できる「花王エコラボ ミュージアム」も開設。ミュージアム内の「エコラボゾーン」には理科実験室も完備し、環境関連のさまざまな科学実験を体感できるという。

 同社は今後、この「エコテクノロジーリサーチセンター」を環境情報発信施設として、社会とのコミュニケーション機能をさらに強化していく構えだ。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:宮園奈美)