生姜抽出物を摂取することで交感神経の働きが高まり、エネルギー消費量を約10%アップさせることが、平柳要・日本大学医学部衛生学准教授と永谷園が行った生姜抽出物摂取によるエネルギー消費の亢進効果と体表温度の上昇効果についての共同研究で分かった。
研究によると、生姜20g相当の生姜抽出物を摂取した場合、生姜抽出物による1分あたりのエネルギー消費量は、1時間後0・059kcal、2時間後0・072kcal、3時間後0・049kcalと増加した。これを安静時に対する増加率で表すと1時間後10・5%、2時間後11・6%、3時間後8・6%となった。
平柳氏は「冷えに悩む人が生姜成分を摂取することで、交感神経の働きが高まり、DIT(食事誘導性熱産生)が活発になって、エネルギー消費量を高められることが明らかになった。熱い飲み物だけでも、30分程度は体幹部(胸腹部や腰背部)を中心に身体を温めることはできますが、生姜が加わると3時間程度持続する」と話し、「朝起きて目覚まし用の軽い体操をした直後、血糖値が上がり出す前に、熱い生姜食品やカフェイン入り嗜好品をとると、DITが高まりやすく、外出前に首や足首などを冷やさないような工夫をすれば、冷えに悩む人の多くは、その苦痛からかなり解放されると考えられる。運動がなかなかできない人にとっては、食欲を損なうことなく、DITでのエネルギー消費を活発にさせる生姜食品を継続的に摂ることによって、エネルギー摂取とエネルギー消費のバランスを保つことができる」と説明した。