渋谷に登場したスマートハウス展示場 注目度が高いモデルハウスは?

2013年06月14日 19:19

 昨年8月に消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法が成立し、現行5%の消費税率は14年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられることが決定しているが、それに伴って、早くも駆け込み需要がはじまっている。

 とくに安倍首相の掲げる大胆な経済改革、いわゆる「アベノミクス」による2%のインフレ目標の設定や円高是正、大胆な金融緩和などにより大きな影響を受けることが懸念され、材料価格の上昇、ひいては物件価格や土地価格の高騰が予想される住宅市場において、その動きは顕著にみられはじめている。

 実際、大手主要ハウスメーカーである、大和ハウス工業<1925>・積水ハウス<1928>・住友林業<1911>・パナホーム<1924>などの4月度の受注状況は軒並み前年比で20パーセント強もの増加となっており、中でもパナホームに至っては金額ベースで前年同月比145パーセントと大幅な伸びをみせている。

 このような状況の中、最先端のスマートハウスを取り揃えた住宅展示場「TBSハウジング渋谷」がオープンし、話題となっている。TBSハウジング渋谷は、東京山手線内で唯一の住宅展示場ということもあり、4月27日のオープン以来、増税前の購入を見越した家族連れなど、多くの人手で賑わっている。

 こちらで展示されている住宅はすべて、東京都が普及に取り組んでいる「新築住宅・既存住宅の耐震化」、「低エネルギー住宅」並びに「エネルギー源の多様化・自立化・分散化した住宅」に即したスマートハウス仕様となっている。全メーカーの住宅が、太陽光発電、電力消費量等の見える化設備、LED照明に対応しており、住宅省エネ・トップランナー基準に適合する住宅にも対応していく予定だ。

 さらに、三井ホーム<1868>やミサワホーム<1722>は太陽熱利用設備、積水ハウスは高断熱性能、高性能設備機器と制御機構等との組み合わせによってエネルギー消費量を実質的にゼロにできる「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」を導入するなど、各メーカーごとにプラスアルファの差別化を図っており、次世代住宅の標準仕様ともいわれるスマートハウスを比較検討できる最適な展示場となっている。

 その中でも、圧倒的な存在感とともに話題となっているのが、パナホームの「Vieuno5(ビューノ・ファイブ)青山」だ。

 Vieuno5青山は、自宅専用はもちろん、自宅と賃貸住宅、店舗スペースとの併用など、多彩な都市のくらしに対応できる重量鉄骨住宅として同社が展開している『Vieuno』をベースとした商品で、5階建てのモデルハウスとなっている。

 Vieuno5青山は、5階建ての外観のインパクトもさることながら、その名の通り、5つの最新技術を備えていることが大きな特徴だ。

 まず、業界最大となる2,700ミリメートルのオーバーハングで柱のない空間を実現し、プラン対応力を向上。そして、各階に床下げが可能な「サンクンフロアーシステム」を採用することで、勾配天井部分にプラスワンルームを実現している。これは、斜線制限の対象となる住宅の勾配天井部分が収納スペースなどの用途に限定されてしまう点を解決するものだ。また、500ミリメートルの「サンクンフロアーシステム」と天井高2,565ミリメートルを組み合わせることで、日影などの建築制限に対応しながら、天井高3m超の広々スペースを各階で実現できる。

 さらに、バリアフリーとして「単純段差出入口」を各階対応。車椅子でも室内とバルコニーをスムーズに移動することができる。そして、オプションとして床遮音複合システム「QON(キュウオン)-50」を設置すれば、上下階の遮音性を大幅に向上してプライベート空間を保つことができる。

 最新の住宅展示場だけあって、スマートハウスの住宅性能技術や耐震性能は当然の装備として整っている中、様々な用途地域が混在する東京エリアの狭小な土地を最大限生かす提案が盛り込まれた住宅の注目度が高くなるのは必然ともいえる。

 また、もしも近々、住宅の購入を検討する予定なら、通常の住宅ローン減税や贈与税、固定資産税などの税制面での優遇処置だけでなく、太陽光発電システムや燃料電池・蓄電池・HEMSの導入補助金などについての最新の情報を手に入れるだけでも、TBSハウジング渋谷に足を運ぶ価値はあるだろう。(編集担当:藤原伊織)