国土交通省関東運輸局は、6月14日「超小型車」の公道走行について、神奈川県からの申請を認定。同県は即日、軽自動車検査協会神奈川事務所にて、認定車両の車両確認を受け、超小型車は16日より運行可能な状態となった。
超小型モビリティ(環境性能に優れ、小型で小回りの利く1、2人乗り程度の車両)の公道走行については、2013年1月に策定された「超小型モビリティ認定制度」に従って認定されるが、実際に認定されたのは、今回が初である。神奈川県は認定を受けた車両について、7月より横浜市内及び横須賀市内のUR都市機構神奈川地域支社横浜南住宅管理センターが管轄する35の団地の巡回管理業務に使用し、将来的には自動車の共同利用(カーシェアリング)、観光地での利用、高齢者に対応した交通施策への活用などについても視野に入れていくという。
また、ホンダ<7267>は、近距離移動用の超小型EV「マイクロコミュータープロトタイプβ」を使った社会実験を行うための了解覚書を熊本県および沖縄県宮古島市と締結している。熊本県と宮古島市に取材したところ、この件においては具体的な動きはまだないものの、それぞれが既にEV車両の導入を行っており、超小型EV車両についても順次対応していく予定とのこと。EV車両の導入活用において、熊本県ではホンダと「次世代パーソナルモビリティによる実証実験に関する包括協定」を10年8月に締結しており、実験車両として今までにEV自動車・バイク・福祉車両を導入、現在も車両を5台運行している状態である。また、宮古島市では、三菱自動車株式会社<7211>と「EVアイランド宮古島プロジェクト」を進めており、12年に市内の複数カ所に充電器を設置、三菱自動車から提供を受けた2台の車両を始めとし、今後新たに車両を導入する予定であるという。
超小型車の公道走行について、自治体の動きは軒並み鈍いが、社会一般の認知度も低い。今回導入されることとなった神奈川県であるが、超小型車の運行について子育て世代を中心に不安を抱く人は少なくない。神奈川県は運行地域に居住する方などへの影響は想定されず、車両運行に関する事前の通知などを行う予定はないとしているが、果たしてどうであろうか。(編集担当:中村小麦)