日本維新の会・橋下徹共同代表(大阪市長)は19日、大阪市役所で記者団の質問に対して、今月23日の都議選の結果により、党員からその責任問題が言及された際には、代表を辞任する考えもあると述べた。
橋下共同代表は、「選挙でNOを突きつけられれば、やりたいことはできない。党のメンバーが『代表辞めろ』ということになれば、僕自身は代表にいられない」と発言。しかしその一方で「都議選が駄目でも、参院選で審判を受けたいという思いはある」とも述べた。
橋下共同代表の従軍慰安婦についての発言が問題となって以来、維新の会の内部は揺れている。石原慎太郎共同代表は橋本共同代表に対して、党に逆風を招いたとして謝罪を求めており、さらに、都議選や参院選で敗れた際には、橋本共同代表の責任を追及する考えを示していた。
このことに関して橋本共同代表は記者団に対し、慰安婦問題発言は「間違っているとは思わない」と発言し、石原共同代表の謝罪要求に関しては、「仲間にメッセージを出すことについては石原代表とは考え方が違う。謝罪とかそういう話ではない」と、改めて拒否する姿勢を見せたものの、「お互い代表なわけだから、議論していきたい」と対立することは避けたい考えも示した。
そして橋下共同代表は、「敵は外にいる。内部でエネルギーを割いている場合ではない」と党の結束を固めるよう呼びかけた。
しかし、橋下・石原両共同代表の亀裂はすでに大きく、すぐに修復出来るようなものではない。また、そうして橋下共同代表が選挙結果の責任を取る形で辞任をしたとなれば、石原共同代表の責任問題も避けられなくなり、7月の参院選を目前としながら、このままでは日本維新の会に分裂の危機が訪れることは避けられないだろう。
慰安婦問題発言以来、橋下共同代表は、参院選で負けた場合には辞任する可能性について示唆したことはあったが、こうして都議選の結果も辞任の判断材料となると述べたのは初めてのこと。しかし、その「勝敗」を判断する線引きについては、明確にはしなかった。(編集担当:滝川幸平)