有機EL照明はLED照明に追いつけるか?

2013年06月24日 20:27

 知り合いが、「家の照明をすべてLEDに換えた」と話していたのは、去年の今頃のこと。次世代照明といわれてきたLED照明。そして、もうひとつの次世代照明といわれているのが有機EL照明だ。そんな中、三菱化学とパイオニア<6773>は、MCパイオニアOLEDライティングを設立したと発表した。

 有機EL照明は、面発光でかつ超薄型・軽量である上に形状に制約がなく透明にできる、といった既存の照明にない特徴を数多く持っている。三菱化学とパイオニアは、2011年7月に、発光層を蒸着プロセスで成膜した世界初の“カラー調色・調光型有機EL照明パネル”の量産を開始し、両社それぞれ、店舗照明や医療用照明器具などさまざまな用途向けに販売してきた。今般設立したMCパイオニアOLEDライティングは、両社の有機EL照明パネルに関する販売・マーケティング機能を統合することで、用途開発および市場開拓を一気加速させるとしている。

 有機EL照明パネルは、発光層を塗布プロセスで成膜することにより、大幅な製造コストの低減が可能だと考えられている。三菱化学とパイオニアは、2012年6月に発光層塗布型有機EL素子の開発に成功し、現在、2014年の本格供給開始に向けて、発光層塗布型有機EL照明パネルの量産化技術の共同開発を行なっているとのこと。MCパイオニアOLEDライティングは、この発光層塗布型有機EL照明パネルについても、2013年の秋からサンプル供給を開始し、用途開発および市場開拓を実施していく予定だという。

 蒸着成膜プロセス」は、真空装置内で原料を加熱して蒸発させ、ガス状になった原料を基板上に堆積させる成膜方法。清浄環境下で成膜できる一方、原料の利用効率が悪く、また、技術的・コスト的に真空装置の大型化が困難なため、基板の大型化が難しいといわれている。これに対して 「塗布成膜プロセス」は、原料を溶かし込んだ溶液を塗布して、原料を基板上に堆積させる成膜方法。原料の利用効率がよく、また、真空状態を必要としないために、製造装置の大型化が比較的容易である。そのため、環境や溶液中の不純物を適正に制御できれば、基板の大型化に適しているといわれている。

 有機EL照明はLED照明の後を追うように開発競争と実用化への道を進めてきた。特にLED照明では不可能な「面発光」や「形状に制約がない」「透明である」点では有利である。というのはLED照明がほとんど点発光であるために小型化には向いても発熱という制約や光の拡散に工夫が求められるからだ。今後住み分けが進むかさらにLEDを超えて普及する可能性があると考えられている。

 我が家の照明は、まだすべてをLEDに切り替えているだけではない。今後の有機ELの進歩を見極めながら、その導入も考えていきたい。(編集担当:久保田雄城)