NYダウは雇用統計発表前の様子見ムードに支配され42ドル安。製造業新規受注、新車販売台数が好調で午前中はプラスでも、NY連銀のダドリー総裁が「経済成長率は来年にかけて高まる」と発言し量的緩和早期終了観測でマイナス圏に。明るい話をすると株価が下がるとは地区連銀総裁はつらい。3日朝方の為替レートは、ドル円は前夜タッチした100円の大台に定着し100円台後半、ユーロ円は130円台後半で、円安がさらに進んだ。
日経平均は51.25円高の14149.99円で始まるが、20分ほどでマイナスに沈む。上海市場がマイナスで始まると一段安になり、11時15分からは14000円も割り込むがそれは一時的。後場はプラスになる時間帯もあり、下げても14000円割れはなく底堅い展開。終値は43.18円安の14055.56円で5日ぶりの下落でひと休みした。TOPIXは+1.97の1173.81で「NTねじれ現象」が出現。売買高は28億株、売買代金は2兆3216億円だった。
値下がり銘柄714よりも値上がり銘柄864のほうが多く、上昇セクターはゴム、不動産、鉱業、証券、銀行、輸送用機器などで、下落セクターは電力・ガス、水産・農林、情報・通信、食料品、海運、精密機器などだった。
日経平均マイナス寄与度トップは7日ぶり500円反落のファーストリテイリング<9983>で20円引き下げた。前日発表の6月の国内ユニクロ既存店売上高は20.5%増、客数は26.5%増と非常に好調でも、客単価4.6%減が「ユニクロはいつでもセール中」という最近のイメージを裏付ける。プラス寄与度トップは190円高のブリヂストン<5108>で、タイヤメーカーは横浜ゴム<5101>13円高、住友ゴム<5110>48円高、東洋ゴム工業<5105>17円高と買われゴム製品セクターを騰落率首位に押し上げた。三菱地所<8802>、住友不動産<8830>、三井不動産<8801>の不動産大手3社は日経平均プラス寄与度2~4位に揃い踏みしていた。
自動車株は6月のアメリカ新車販売の前年同期比の伸び率が+9.8%のトヨタ<7203>は値動きなしだったが、+9.7%のホンダ<7267>は15円高、+47%の富士重工<7270>は野村證券が投資判断を引き上げ53円高で、+12.9%の日産<7201>は6円高。マツダ<7261>は3円高、スズキ<7269>は48円高、いすゞ<7202>は26円高だった。電機は東芝<6502>1円高、ソニー<6758>20円安、パナソニック<6752>15円安、シャープ<6753>6円安と不振だったが、三菱電機<6503>の34円高が目立ち、24円高の三菱重工<7011>や122円高の三菱地所ともども「三菱の日」。コマツ<6301>は中国株が軟調なので42円安に甘んじた。
日経新聞朝刊1面に、政府がTPP交渉で米菓や日本酒の原料の加工米の関税率引き下げを検討するという記事が載った。主食米の関税維持の引き換え条件だが、原料安で利益拡大と連想され米菓大手の亀田製菓<2220>が148円高と買われた。日本酒は「富久娘」「北の誉」のオノエンHD<2533>は4円高、「松竹梅」の宝HD<2531>は3円高。ボーナス増で夏の国内旅行者が過去最高の8000万人と報じられ、一休<2450>が人気化して値上がり率5位。富士登山はごった返すと予想されて64円高の富士急<9010>は値上がり率16位に入っていた。
東京で「国際ブックフェア」開催中。角川GHD<9477>と学研HD<9470>が新刊本を原則全て電子書籍で刊行すると発表し、角川GHDは50円高、学研HDは6円高だったがインプレスHD<9479>は値下がり率13位だった。東京海上HD<8766>は三菱UFJモルガン・スタンレー証券が投資判断を引き上げ15円高。太陽光発電関連のサニックス<4651>は128円高で年初来高値を更新し値上がり率9位に入った。参院選公示日前日なのでドワンゴ<3715>は値上がり率11位。選挙がらみで公共投資関連の「道路補修」のテーマで買われ、前田道路<1883>は年初来高値を更新した。
2月期決算の小売業の3~5月期(第1四半期)決算次々発表中。ユニーGHD<8270>は純利益3割減で、コンビニのサークルKサンクスの業績も悪く54円安で値下がり率4位になり、4日発表のセブン&アイHD<3382>も20円安。良品計画<7453>は中国事業が好調で最終利益56%増で過去最高だったが、織り込み済みなのか450円安で値下がり率8位。営業利益3%増益のオンワードHD<8016>は9円高だった。
KLab<3656>は20円高と続伸したが、グリー<3632>は4~6月期の営業利益7割減という観測で21円安。ゲーム課金収入が落ち続けており状況は深刻だ。通信のIIJ<3774>は公募増資が嫌気され340円安で値下がり率3位だった。
前日派手に買われた東京電力<9501>は、一夜明ければ派手に売られ64円安で、売買高、売買代金、値下がり率の「三冠王」。原子力規制委員会が大飯原発の9月までの運転継続を認めた関西電力<9503>も34円安だった。原発関連の木村化工機<6378>も40円安と反落し値下がり率6位になった。
この日の主役は東証1部に新規上場したサントリー食品インターナショナル<2587>。取引開始と同時に公募価格3100円より20円高い初値3120円がつき、終値は3145円。上場初日で売買代金2位と大物ぶりを発揮した。時価総額1兆円に迫る超大型IPOなので投資資金を横取りしたようで、食料品セクターの騰落率はマイナスになり味の素<2802>は40円安と続落。この会社の「伊右衛門」と「お茶戦争」でライバルの伊藤園<2593>は4円安。ビールはサントリー酒類という別の会社だが、4年前に経営統合の話もあったキリンHD<2503>は33円安、アサヒGHD<2502>は12円安だった。(編集担当:寺尾淳)