【日経平均】主力株中心に4日続伸し14000円の大台乗せ

2013年07月02日 20:20

 NYダウは65ドル高。6月のISM製造業景況指数は50.9で好・不況の境目の50を超えて市場予測も上回り、5月の建設支出も前月から0.5%増加したので午前中は173ドル高まで買い進められたが、雇用統計発表週なので午後に利益確定売りで15000ドルを割り込み後味は良くなかった。2日朝方の為替レートはドル円が99円台後半、ユーロ円が130円台前半で円安傾向が続いていた。
 
 日経平均は116.65円高の13969.15円と高く始まり、9時45分に久々の14000円台に乗せた。しかし10時30分に上海市場がマイナスで始まると先物主導で急落し13900円台も一時割り込んだ。しかしすぐリカバリーし、香港ハンセン指数がマイナスに転じても影響せず前引けで再び14000円に乗せる。後場はおおむね13900円台後半の小動きだったが、オーストラリア準備銀行理事会が政策金利を据え置いた影響で午後2時30分頃からドル円99円80銭台まで円安が進み、上海市場のプラス転換にも呼応して14000円台に乗せ一段高。終値は246.24円高の14098.74円の高値引けで4日続伸した。終値14000円台は5月29日以来。TOPIXも+21.14の1171.84で高値引け。売買高は30億株、売買代金は2兆3533億円で前日より増加した。
 
 値上がり銘柄は1410で82.3%を占め全業種がプラス。上位は電気・ガス、鉄鋼、不動産、鉱業、その他金融、輸送用機器などで、下位は石油・石炭、情報・通信、食料品、陸運、銀行、その他製品などだった。
 
 日経平均寄与度の1、2位はファーストリテイリング<9983>とソフトバンク<9984>で、両銘柄で日経平均を65円押し上げた。この日は自動車株が大きく上昇し、トヨタ<7203>は前日、伊原保守副社長が世界販売台数1000万台達成時に新興国で半分の500万台を目指すと話し170円高。午前中、GMと燃料電池車で提携するというニュースが流れたホンダ<7267>は100円高で、両銘柄の日経平均寄与度は+14円だった。
 
 主力株が華やかに上昇し、4%以上の値上がり率を記録したのは100円高の東京電力<9501>を筆頭に、40円高で値上がり率12位のシャープ<6753>、13円高で値上がり率14位の三菱自動車<7211>、36円高の日立<6501>、44円高のアイフル<8515>、12円高の新日鐵住金<5401>、18円高のマツダ<7261>などがあった。
 
 テーマによる個別株物色が盛んで、値上がり率1位は人材派遣のフルキャストHD<4848>、同2位はゲーム関連で連日買われるKLab<3656>。保育関連のJPHD<2749>も53円高で年初来高値を更新し、「橋梁の老朽化対策」のテーマで日本橋梁<5912>が16円高で値上がり率11位に入った。新興市場では材料のあるOTS<4564>、アンジェスMG<4563>が大幅高になるなど、バイオ関連が相変わらずの人気だった。
 
 アライアンスのニュースではクレディセゾン<8253>がIT企業でネット選挙関連でもあるデジタルガレージ<4819>と資本・業務提携すると日経新聞が報じ、クレディセゾンは33円安だったがデジタルガレージは4.85%上昇の16000円高。任天堂<7974>と大日本印刷<7912>が児童向けの電子書籍を「ニンテンドー3DS」向けに配信すると発表し、任天堂は220円安、大日本印刷は7円高だったが、連想買いで電子書籍のインプレスHD<9479>が買われ19円高で値上がり率5位に入った。カジュアル衣料小売のポイント<2685>は、6月の既存店売上高が9.9%増と発表し230円高で5日続伸した。
 
 主力株中心の全面高の中、90円安のKDDI<9433>とともに元気がなかったのが41円安で値下がり率17位の味の素<2802>で食料品セクターの騰落率を抑えていた。翌日のサントリー食品<2587>の超大型新規上場の影響か。騰落率トップの電力・ガスも、「10電力全勝」を尻目に東京ガス<9531>、大阪ガス<9532>はマイナスで終わった。
 
 この日の主役は東京電力柏崎刈羽原発。運転再開を目指して7月8日施行の新規制基準に基づき早期に原子力規制委員会に安全審査を申請する方針を固めたというニュースで、東電は朝から買いを集めた。売買高、売買代金ともトップで、3億株以上が売買され売買代金は2位のトヨタの2.6倍に達した。株価も後場に急騰してストップ高になり値上がり率3位に入った。原発関連の木村化工機<6378>は値上がり率4位に入り、日本製鋼所<5631>、日立も大幅に上昇している。「世界最大」の総出力821.2万キロワットの柏崎刈羽原発は、7基全て再稼働すれば火力発電用燃料の節約で東電の収支が約5000億円改善すると試算されているが、停止が長引けば再度の電気料金値上げが避けられないと東電は判断している。新規制基準の施行で九州電力<9508>、四国電力<9507>、関西電力<9503>、北海道電力<9509>が加圧水型の6原発12基の安全審査を申請する方針だが、柏崎刈羽は事故が起きた福島第一原発と同じ沸騰水型で、新潟県の泉田裕彦知事は「福島の事故の検証ができていない」と再稼働に反対し、周辺市町村も再稼働には慎重な姿勢をとっているため、前途は厳しい。