日本記者クラブで3日午後、党首討論会が行われ、自民総裁の安倍晋三総理ら9党の代表が4日公示される参議院選挙での党の訴えなどを語った。党首1分トークでの訴え概要は以下の通り。
安倍総理は「昨年の今頃、長引くデフレ、行き過ぎた円高で経済は低迷し、閉塞感が覆っていたが、自民が政権を奪還し、次元の違う3本の矢でデフレ脱却、経済再生に挑んだ。その結果、GDPはマイナスからプラスに変わった。我々は参院選で勝って、ねじれを解消し、政治の安定を手に入れ、(デフレ脱却・経済再生の)実感をみなさんの手に届けたい」と経済政策を主軸にアピールした。
民主党の海江田万里代表は「わたしどもは国民の暮らしを守る力になるをスローガンに戦う」とし「選挙には、日本の国のこれからがかかっている。安倍さんの経済政策は国民の期待感を膨らませることに成功したが、物価があがるなどその副作用は生活破壊の恐れがある」と国民の暮らしに視点を置いた政治を進めることを強調した。
日本維新の会の橋下徹共同代表は「アベノミクスの第1、第2の矢は結果が出ている」と評したうえで「一番重要な第3の矢(徹底した構造改革)はしがらみのある既得権益に左右される政党ではできない」とし、代表例として「農協改革、混合診療の解禁など」をあげたうえで「日本維新の会は日本にとって本当に必要な改革を実行していく」とした。
公明党の山口那津男代表は「連立政権を自民党とつくり、経済の再生、被災地の復興を優先課題に取り組んできた。経済再生の実感を国民の手元にこれから届けるために、成長戦略を実行していくことが重要」とし、ねじれに触れ「国会の決定力は十分でない。なので、与党で過半数をとり、ねじれを解消する。そして、成長戦略を実行できる力を得ることが与党共通の目標。あわせて、国民目線に立つ公明党の存在が民意を受け止め、安心感を与えるものと思う」と与党内での存在感をアピールした。
みんなの党の渡辺喜美代表は「国家経営のイノベーションをやる。また民間の間に岩盤規制が蔓延っている」と語り「特に、電力、農業、医療の3分野は成長分野でありながら成長できていない」と規制が成長を阻害しているとして「戦う改革を進めていく」と語った。
生活の党の小沢一郎党首は「アベノミクスによる物価高で国民の生活は苦しくなっている。また原発の再稼動で国民の命も危うくされようとしている。またTPP参加は農林水産業の衰退、医療・皆保険の崩壊を招きかねない」と問題や懸念材料を指摘。「国際的にも孤立を深め、日米関係も危うくなっていると考えている」と訴え「国民のみなさまにはしっかり、冷静に判断頂きたい」と訴えた。
日本共産党の志位和夫委員長は「4つの転換を訴え、支持を求めたい」とし「1は国民所得を増やし景気回復を図る。大企業の260兆円の内部留保の一部を活用し賃上げと安定した雇用を増やし、景気回復の突破口を開く。消費税増税には断固反対する」とした。「2は原発ゼロへの転換。3は憲法を守り、生かす政治への転換。9条や96条の改定に反対し、9条を生かした平和外交を進める」と語った。また「最後に、アメリカいいなり政治からの転換を図る。TPP推進、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対し、自主独立平和の日本をつくっていく」と強調した。
社会民主党の福島みずほ党首は「強い国より、やさしい社会をキャッチフレーズに戦う」とし「軍事大国・原発輸出・原発推進、1%の大企業や富裕層のための強い国でなく、やさしい社会をめざす」とアピール。「安心して子どもを産み育て、働き続け年をとることができる社会。雇用と暮らしの立て直しで景気回復をする。給料を上げる政策をとる。最低賃金(時給)1000円以上を実現。長時間労働を規制し、過労死防止基本法を成立させる。原発の再稼動、輸出を許さない」としたほか、護憲の立場を強調した。
みどりの風の谷岡郁子代表は「格差の小さい、日本らしい共生社会をつくっていく」とし「この選挙では若者と女性のために戦う」と支持を求めた。また脱原発。消費税凍結などをあげた。(編集担当:森高龍二)