暮らし方、働き方、地域とのかかわりなど広く検討
女優の菊川玲さんら18人が委員に
3月に報告書作成をめざす
【厚生労働省】
日本人女性の平均年齢が85歳を超えるなど、人生85年時代をむかえて、厚生労働省では厚生労働大臣主宰の「人生85年ビジョン懇談会」を立ち上げ、長寿時代の日本人の暮らしや働き方、人生設計のイメージづくりとそれを支える仕組みについて検討をはじめている。
懇談会メンバー18人の中には演出家のテリー伊藤氏やプロデューサーの残間里江子さん、タレントのダニエル・カール氏、女優の菊川怜さんらユニークなメンバーも含まれており、3月をめどに、懇談会としての報告書をまとめたい意向だ。
具体的な論点として、いきいき人生の基礎づくりのため、若いころから健康づくりや社会保障サービスの確保が必要ではないか、また、長期休暇制度の普及などによる生涯にわたる学習機会の確保(文化活動や遊びを通した多様な経験、知識、技術の習得)や高齢期での安定所得の確保(誰もが安心できる年金制度の構築、安定した職業キャリアの積み重ねなど)を図るシステムの構築が検討される。
働き方の改革では若者、女性、高齢者、障害者などすべての人の就労支援やワーク・ライフ・バランスの実現、家族形成の支援(安心して若者が結婚し、家庭を持ち、子育てできる環境づくり)に加え、1人1人の資質や才能が尊重される環境づくりを論議。
人生設計では仕事以外での社会貢献活動(子育て支援や介護、観光ガイド、町内会活動など)の推進や経験から培った技能、ノウハウを活かした創業、文化活動、まちづくりと連動した事業展開などのコミュニティビジネスの推進、田舎くらしのすすめ、など具体化に向けて、どのような環境づくりが必要なのか、行政施策と連動させての方策を検討していくものとみられる。