日韓外相会談 関係修復の第一歩となるか

2013年07月07日 01:25

 岸田文雄外相と韓国の尹外相との会談が実現したのは、現在ブルネイで開催中の、東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の会合で、約30分間行われた。第二次安倍政権では初めての会談。

 日韓関係は、昨年8月の李明博大統領(当時)の竹島(島根県)上陸や、橋本大阪市長の慰安婦発言問題などで、冷え込んだまま。この会談が、関係修復に向けた第一歩としたいところだ。

 会談では、韓国尹外相の「歴史認識の取り組みをお願いしたい」と求めたことに対して岸田外相は、安倍政権の歴史認識の立場を説明、理解を求めた。その上で、岸田外相は、「竹島を含め,困難な問題が両国間にはあるが、大局的見地から対応したい」と指摘。尹外相は「韓日関係の安定には何よりも正しい歴史認識」と日本の歴史認識の取り組みを強調した。

 結局両国とも「日韓は重要なパートナーだ」との認識を共有し、情報、意見の交換を促進していくことで一致した。

 この会談後岸田外相は会見で、「未来志向の日韓関係を築くスタートになった」と会談を評価しているが果たしてそうだろうか。韓国側が、歴史認識を持ち出してくる限り、歩み寄りはないと見るべきだろう。

 その後、米のケリー国務長官を交えた日米韓外相会談も開かれた。その席では、北朝鮮が対話路線に転じたことが話題となり、3者とも「国連安保理決議の履行が重要、対話のための対話はしない」で一致、また拉致問題への対応も含め、日米韓が引き続き連携していくことを確認した。

 ただ韓国の最近の情勢を見ると、米、中国首脳と会談した韓国の朴大統領の言動を見ていると、「米中韓」の枠組み転換と、日本の外務省筋は見る向きもあるのは確かだ。これに対して安倍政権は「日韓通貨交換(スワップ)協定」の延長見送りを決定,安易な妥協はしないという強い意思表示を示した。そのことがこの外相会談につながったと見る向きもあるのは確か。(編集担当:犬藤直也)