【日経平均】後場ズルズル下落したが結局56円の小幅安

2013年07月10日 20:13

 NYダウは75ドル高で4日続伸し終値15300ドル。主要企業決算の先頭打者アルコアの決算は市場予測を上回った。S&Pがイタリア国債を格下げしても、IMFが今年のアメリカの成長予想を1.9%から1.7%に引き下げても影響は小さい。10日朝方の為替レートはドル円が101円台前半、ユーロ円が129円台前半で、ドル高が進んでいた。

 IMFは今年の世界全体の成長率を0.2ポイント下方修正したが、アベノミクス効果を見込んで日本は1.5%から2.0%に引き上げた。ところがIMFのブランシャール調査局長は記者会見で、中国の金融システム不安やアメリカの量的緩和縮小と並べて「日本のアベノミクス」を世界経済の懸念材料に挙げた。取引時間前に発表された6月の国内企業物価指数は前年同期比+1.2%、前月比+0.1%で3ヵ月連続プラス、5月の第三次産業活動指数も市場予測を0.5ポイント上回る前月比+1.2%で2ヵ月ぶりに上昇した。

 日経平均は8.08円安の14464.82円でスタートし、一時は14555円まで上がるがおおむね14400円台前半のマイナス圏で小動き。TOPIXはたびたびプラスにタッチ。上海が前日終値近辺でウロウロしても香港、台北は上昇で始まったが、11時に6月の中国の貿易統計が発表され、輸出は-3.1%、輸入-0.7%で予想外のネガティブサプライズで日経平均は急落。IMFが「景気減速が長期化する恐れがある」と警告した新興国はこの日も東京市場を振り回す。この時はマイナスまでは落ち込まなかったが、「SQの週の水曜日は荒れる」というアノマリーが当たり、後場の午後1時30分過ぎからドル円が101円を割り込む為替の円高と同調して日経平均はマイナス圏に落ち込みズルズル下げ続け、1時間ほどで14287円まで下落する。それでも大引け間際には100円以上戻して終値は56.30円安の14416.60円だった。TOPIXも-1.69の1195.20と小幅安。売買高は27億株、売買代金は2兆2886億円だった。

 値下がり銘柄880に対して値上がり銘柄は693と意外に多く、プラスのセクターは11でゴム、パルプ・紙、小売、空運、鉄鋼、情報・通信などだった。マイナスのセクターは非鉄金属、不動産、その他金融、証券、金属製品、倉庫などが並んでいた。

 450円安のファーストリテイリング<9983>の日経平均マイナス寄与度は18円で下げ幅の約3分の1を占めた。170円安のテルモ<4543>と150円安のファナック<6954>を合わせると-30円で半分を超える。プラス寄与度で踏ん張ったのは50円高のKDDI<9433>と20円高のソフトバンク<9984>の通信勢で、合わせて+6円だった。

 下落が大型の主力株に偏ったのがこの日の特徴で、売買高、売買代金ランキング上位常連の3大メガバンクをはじめ、野村HD<8604>は3円安、東京電力<9501>は6円安、トヨタ<7203>は20円安、ホンダ<7267>は35円安、富士重工<7270>は42円安、マツダ<7261>は5円安、三菱自動車<7211>は3円安、日立<6501>は11円安、東芝<6502>は7円安、ソニー<6758>は16円安、川崎汽船<9107>は4円安、オリコ<8585>は12円安、アイフル<8515>は35円安。その中で3円高のコマツ<6301>、2円高の新日鐵住金<5401>、6円高の三菱重工<7011>、45円高のブリヂストン<5108>、41円高のオリンパス<7733>、30円高のNTT<9432>、16円高の三菱商事<8058>、2円高のANAHD<9202>などががんばっていた。

 ゲーム業界新勢力のKLab<3656>は203円と大幅続落し値下がり率1位。旧勢力のグリー<3632>も4カ所の海外拠点を閉鎖する「退却戦」のニュースで17円安だった。

 値上がり率ランキングをにぎわせたのが3Dプリンター関連銘柄で、1位にアルテック<9972>、3位に売買高6位、売買代金13位のMUTOHHD<7999>、4位に売買高12位、売買代金14位の群栄化学<4229>、5位にみずほ証券が投資判断を引き上げたローランドDG<6789>、6位に図研<6947>が入り、以上は全てストップ高。16位にもJBCCHD<9889>がランクインした。

 東証マザーズにこの日、衣料品ネット販売の夢展望<3185>とイベント写真の撮影・ネット販売のフォトクリエイト<6075>が上場した。両銘柄とも買い気配で始まり、フォトクリエイトは初値がつかなかったが夢展望は後場に公開価格2600円の約2倍の5210円で初値がついた。終値は4340円。

 この日の主役は「消費関連銘柄」。午後発表の6月の消費者態度指数は前月比-1.4の44.3で6ヵ月ぶりに前月を下回ったが、日本列島は猛暑で「その季節らしい天気」なのは消費市場には望ましい傾向。小売業の3~5月期の第1四半期決算も出揃った。前日に決算を発表した大手小売業のイオン<8267>は営業利益が前年比9.3%増で、野村證券が目標株価を引き上げて19円高。衣料品小売のユナイテッド・アローズ<7606>は135円高で年初来高値を連日更新し、大引け後に好決算を発表した靴小売のABCマート<2670>は120円高。熱中症対策需要でドラッグストアのマツモトキヨシHD<3088>は100円高、スギHD<7649>は30円高でそれぞれ年初来高値を更新した。三越伊勢丹HD<3099>47円高、高島屋<8233>15円高、Jフロントリテイリング<3086>20円高、丸井G<8252>19円高と百貨店も負けていない。上半期のビール類出荷が過去最低でもアサヒGHD<2502>は猛暑効果で53円高。サントリー食品<2587>は海外M&Aの積極化やインデックス入りの思惑に加えて猛暑で清涼飲料水がよく売れ、95円の大幅高で上場デビュー以来白星街道ばく進中。売買代金8位と旺盛に買われていた。(編集担当:寺尾淳)