携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」の海賊版ソフトを使用出来るようにする機器、「マジコン」を販売していた業者、「有限会社シーフォートジャパン」「株式会社マジカルカンパニー」「Mediaforce株式会社」「メディアフォース株式会社」らに対して、任天堂<7974>らソフトメーカー49社が提訴していた件で、9日に東京地方裁判所(高野輝久裁判長)は、販売業者らに「マジコン」の輸入・販売の差し止めと、損害賠償金9562万5000円の支払いを命じる判決を下した。
本来、違法なソフトを使用した場合には、ゲーム機本体は起動しないようになっているが、「マジコン」を使えばこの機能を無効にすることが出来、違法ソフトをそのまま使用することが可能となる。
「マジコン」は2011年12月の改正不正競争防止法により違法認定され、輸入禁止対象となっており、12年5月には施行後初めて、「マジコン」販売業者に対する刑事摘発も行われていた。
任天堂は今回の裁判で、「07年以降、10万台以上のマジコンが輸入販売されたため、違法ソフトの使用が氾濫し、正規のソフトの販売数が減少した」と主張しており、9日の東京地方裁判所の判決はその主張を認める形となった。
さらに、任天堂はこの判決を、「ゲーム業界全体にとって重要な判決」とプレスリリース上で述べている。そして「当社およびソフトメーカー各社は、マジコン等の不正な装置に対して、民事・刑事の手段を問わず、今後も継続して断固たる法的措置を講じる所存です」と、「マジコン」の撲滅へ向けて強固な姿勢を示している。
任天堂やソフトメーカーは、これまでも「マジコン」に対する訴訟を起こしてはいたが、損害賠償金の支払いが命じられる判決が出たのは、今回が初めてのこととなる。
「マジコン」とは「マジックコンピューター」の略で、表向きは、これを用いて自作のプログラムをゲーム機で作動されるためのものとして販売されていたものの、実際は、違法ソフトを作動させるために使用される場合がほとんどであった。(編集担当:滝川幸平)