日本政府観光局は、今年上半期(1月~6月)に日本を訪れた外国人が、前年同期比22.8パーセントの増加の495万5千人となり過去最多だったと発表した。これは、これまでの最高であった2008年上半期の433万7千人を61万8千人上回った。
また、6月は、4月に続いて90万人を超えて、90万1千人となって、単月ベースで過去2番目の記録となった。6月としては、2012年の68万3千人を21万8千人上回り過去最多だった。
国・地域別にみていくと、首位が韓国で約132万人、38.4パーセント増、2位は、台湾の約103万人で49.4パーセント増、3位は中国の約54万人で、27パーセント減となっている。韓国は、訪韓日本人の減少によって、韓国発の航空券のプロモーション運賃が設定されたことなどが増加の要因となったとしている。台湾は、訪日旅行の需要が高くツアー料金は値上がり傾向だが、日本は人気があるため、訪日旅行者は増加している。中国については、尖閣諸島などの問題で日中関係が冷え込んでいることから減少している。
また増加率が50パーセントを超えるのは、タイ、ベトナム、インドネシアの3ヶ国で、これらの国は親日家が多いのも要因のひとつである。日本政府は、7月から、タイの観光ビザを免除したり、ベトナムへの数次ビザの発給を始めている。インドネシアについては、数次ビザの滞在期間を最長30日に延長するといったより訪日しやすい環境作りに努めている。ビジット・ジャパン・キャンペーンを開始した03年以降、着実に訪日外国人旅行者数は増加し、07年には、835万人に達したが、08年のリーマンショックをきっかけとした世界的な景気の低迷や、09年の新型インフルエンザ流行などの影響により、同年は679万人まで落ち込んだ。10年は尖閣諸島中国漁船衝突事故に伴う中国人旅行者数の減少などがあったものの861万人を記録している。
6月に発表された13年度版の観光白書では、日本は「観光後進国から観光新興国になったにすぎない」と指摘している。10年の861万人が過去最多であるが、これは世界では30位に過ぎない。因みに1位はフランスで7680万人、これはフランスの人口6300万を上回っている。
しかしながら、13年政府は訪日外国人の目標を1000万人としているので、このペースが少し良くなれば、目標達成も叶えられるだろう。(編集担当:久保田雄城)