安倍政権が発足してから半年、いわゆる“アベノミスク“(経済政策)で著しい変化を見せたのが株式、為替市場だった。日経平均株価は、5日時点で、1万4000円台を回復政権発足当時、と比べて、3割以上高い。為替は、対ドルで、15円前後円安に振れた。
この円安状態が追い風となり、外国人観光客が急増しているのも”アベノミスク“の効果と言えよう。
日本政府観光局によると、今年2月の訪日外国人数は、前年同期比33.5%増の約73万人。4月は、92万3000人と単月で、初めて、90万人の大台に乗った。この円安を追い風に、日本各地の観光地、テーマパークが外国人観光客が急増している。
その外国人観光客が旅先で落とす金額も、円安効果で、例年より大きく伸びていると各観光地の協会の嬉しい悲鳴が聞こえるようだ。
テーマパークを例にとると、「サンリオピューランド」(東京都多摩市)では、外国人観光客はなんと前年比5割増と、発足以来、初めて営業黒字を計上する見込みと言う。それは、「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)も同様だ。オランダの街並みを模したテーマパークだが、例年赤字続きが、今年の5月は、前年同月比48%増の約2万人。と嬉しい悲鳴。この外国人観光客の激増は観光地にも表れている。
四方を山に囲まれた”飛騨の小京都”高山だ。昭和56年の大豪雪で、観光客は激減した。それ以来観光客の足は遠のくばかり。それを救ったのが外国人観光客と言えそうだ。
今年1~4月の外国人観光客の累計宿泊数は、前年同期比41%増。過去最多の客数を記録している。政府と日銀が打ち出した供給資金量を倍増させる「異次元緩和」アベノミクスの1本目の矢により、思惑通り、円安が進行その恩恵を受けたのが観光地やテーマパークだったのかもしれない。