美術館や博物館での、専用端末による「観光音声ガイド」というのは、専属のガイドが付いてくれているようで便利なものだ。そんな音声ガイドが、そのスポットに近づくと、自動で案内してくれるようになって、また一段と快適になる。
富士ゼロックスは、地方自治体・観光協会向けに、GPSとスマートフォンを連携し、全国の観光地を訪れる観光客向けに、スマートフォンを利用して観光スポットの紹介を行う地域発信型の「観光音声ガイドサービス」を開始した。
このサービスは、地方自治体が貸し出すスマートフォン端末用のアプリケーションと、情報提供者自らがその観光ガイドコンテンツをクラウド環境で制作するためのツールで構成されている。
地方自治体は制作ツールを利用し、あらかじめガイドしたい場所の位置情報とテキストコンテンツをクラウド上のサーバーに登録する。観光客は、アプリケーションと音声コンテンツが搭載されたスマートフォンを持ち自由に散策し、登録された観光スポットに近づくと、自動的に観光案内を聞くことができる。GPSとの連携により、タイミングよく音声ガイドを聞けるので、ストレスなく散策を楽しむことができるという。
前述したように「観光音声ガイドサービス」は、美術館や博物館などの館内で専用端末を利用したものや、パンフレットに埋め込まれた情報を認識して音声を再生する音声ペンなどが一般的で、室内のみでの利用という制限や専門業者による制作が必要だった。しかしこのサービスは、GPSを利用するため、屋外でも利用可能。また制作も、ツール上で位置情報とガイドコンテンツをテキストで登録するだけなので、コンテンツの更新や修正が誰でも簡単に、かつタイムリーに行えるとしている。このサービスを活用することにより、地方自治体は観光情報に加え、地元お薦めの店舗情報や道案内をアナウンスしたりと、地域活性化ツールとしても利用できる。
利用料金は、初期費用に20万円。月額費用が1万円からとなっている。音声は、日本語・英語・韓国語・中国語の4ヶ国語に対応しているので、外国人の多いエリアでも活用することが可能だ。こういった音声ガイドが身近になるのは、観光スポットはもちろん、利用者の私たちにとっても大きなメリットをもたらすだろう。(編集担当:久保田雄城)