ミクシィ<2121>は8月9日に発表した2013年4~6月期連結決算で、2億5300万円の最終赤字(前年同期は5億6200万円の黒字)となった。これは同社の06年の上場以来初めてのことである。赤字要因について同社は「デバイス環境などの変化により広告売り上げが大幅に減少した」としている。
SNS「mixi」は広告・課金売り上げは共に減少。売上高は前年同期比39.4パーセント減の21億4400万円。営業損益は8400万円の赤字(前年同期は8億8900万円の黒字)、経常損益は1億9300万円の赤字(前年同期は8億7100万円の黒字)となっている。
今後の取り組みとしては、アクティブユーザーの増加に向けて、主要サービスのスマホアプリ化やコンテンツ系スマホアプリの提供を考えているという。また新規事業としてmixi reseachというネットリサーチのサービスの提供を7月から開始していたり、サービス開始半年で会員数が20万を突破したフォトブックサービス「nohana」の分社化を9月に行う。
ミクシィはこのように赤字の原因を「デバイス環境などの変化」を上げているが、はたしてそれだけだろうか。日本でも急激にユーザー数を伸ばしているフェイスブック等の海外のSNSに対抗できる魅力を打ち出せていないことも大きな要因ではないのか。現在、日本におけるフェイスブックのユーザー数は2200万人であり、ミクシィのユーザー数は、2711万人。フェイスブックのユーザー数は、ミクシィの81パーセント程度である。この数字をどう見るかは、意見の分かれるところだろう。少なくとも筆者の周りは、その多くがアクティブに発信するSNSを、ミクシィからフェイスブックに移行させている。もちろん、だからといってわざわざミクシィを脱会する訳でもないので、この2711万人という数字の内のアクティブユーザーの数はわからない。
かつて一世を風靡した、日本のSNSは今、岐路に立たされている。6月には、新社長を迎え、新体制をスタートさせたばかりだが、前途は非常に厳しいのではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)