タクシー降車時の支払手続が不要 スマホでネット決済

2013年08月18日 20:29

 ついつい飲み過ぎて終電を逃してしまい帰路はタクシーで、という経験したことのあるビジネスマンは多いだろう。そしてそういう時に限って、なぜか現金の持ち合わせのないことが多いものである。大昔は自宅前にタクシーをとめて、深い眠りに落ちている妻を起こして、お金を払ってもらうというのが、悲しき王道であった。そして時は流れクレジットカード決済のタクシーが常識となって、妻を起こす必要はなくなった。しかしそうなると人間とは贅沢なもので、降車時にクレジットカードを財布から出したり、サインをする、という行為さえも面倒に感じるようになってくるものである(特に、酔っている場合には)。

 日本交通は日本マイクロソフトとの協業で、スマートフォンから全国のタクシーが簡単に呼べるアプリ「全国タクシー配車」に、あらかじめクレジット情報を登録することで降車時に支払い手続きが不要になる新しいタクシー決済サービスを追加した。

 今回、新しい決済サービス「ネット決済」を「全国タクシー配車」アプリに追加する。このサービスは、事前にスマートフォンでクレジットカード情報を登録した上で配車依頼をすると、降車時、決済端末処理や伝票へのサインなどの支払い手続きが不要になるというサービスだ。

 降車後、事前登録したクレジットカード情報を基に決済処理が行われ、乗車日翌日までに事前登録したメールアドレスに利用明細が送られてくる。当初は東京、埼玉、神奈川、熊本でサービスをスタートし、順次提携タクシー会社を拡大していくという。

 さらに新機能としてクラウドサービスEvernoteと連携しネット決済で注文した利用明細を、Evernoteに保存できる機能を追加した。これにより事前にEvernote連携を登録することで決済処理確定後メールに配信されていた利用明細が、自動的にEvernoteへ記憶されいつでもどこでも確認できるようになる。

 「全国タクシー配車」アプリは全国44都道府県、約2万台(全国のタクシーシェア10%)のタクシーと提携し、タクシーの迎え先を地図上で簡単に設定し、注文できる利便性からリリース以来「日本交通タクシー配車」アプリと累計で90万件ダウンロード、タクシーの配車台数は65万台を超え、アプリ経由のタクシー売り上げが15億円を突破したという。

 世の中はどんどん便利になっていくが、「飲み過ぎて終電を逃すビジネスマン」が絶滅することはないだろう。(編集担当:久保田雄城)