喫茶店が都市部中心に、好調な売れ行きを見せている。この夏、連日の猛暑日が続き、若い世代は、喫茶店を仕事場代わりに、学生たちは、教室代わりに、団魂の世代は、憩いの広場として、主婦中心に会議場に、そして高齢者層は涼しさを求めて喫茶店へといった具合に、どの店も満員状態が続いており、喫茶店の人気が高まっているのが現状と言えよう.
こうした中、ネスレジャパンは、喫茶店「カフェネスカフェ」を本格展開する。個人経営の喫茶店に、看板を貸与し、今後3年で、全国店舗数を1000店とする予定だ。この店舗数は、同じ全国チェーン展開する「スターバックスコーヒージャパン<2712>」と同規模となる。これは、団魂世代を中心とする、シニア層の増加により、喫茶店の人気が高まっていることを受け、ネスレのブランドで、零細店の生き残りを支援し、業務用コーヒーの販売拡大につなげることを狙いとしたもので、その成り行きが注目されている。
またこうしたコーヒーの売れ行き好調さに、コンビニエンスストア大手が、飲食スペースを設けて、1杯100円程度のコーヒーを提供する、店舗を増やすなど競合も激化している。現在の大手チェーンの店舗数は、最大手がドトールコーヒーシップ1102店、カフェネスカフェ1000店(目標)スターバックスコーヒー985店、タリーズコーヒー510店、コメダ珈琲店487店となっている。
喫茶店「カフェネスカフェ」には、本来屋号と合わせて、ネスレのインスタントコーヒーと同じデザインの大型看板を設置、ネスレと一目でわかるデザインをしてゆくとしている。
この手法は、同業ライバル社のUCCホールディングスやキーコーヒーなどではすでに先行しており、実績を上げている。こうした大手コーヒーチェーンの一連の動きに、同業他社も警戒の色を見せており、コーヒーチェーン店の業界地図も、大きく変わってきそうな気配を見せ始めた。(編集担当:犬藤直也)