海江田代表 党再生に決意示す 日教組大会で

2013年08月26日 09:04

 民主党の海江田万里代表は25日、日本教職員組合の定期大会で党再生について「道半ば」と語り、「9月に新役員体制を発足させ、再来年4月の統一地方選に向け、この1年で確かな歩みをつくるのがわたしの責任」と語った。民主党は2015年春の統一地方選を「党勢回復に向けた最大の決戦」と位置づけ、地方組織の立て直しも図る。

 また海江田代表は「民主党政権下で、高校授業料の無償化、子ども手当ての増額、小学2年までの35人学級の導入などを図ってきた。震災があったにも関わらず高校中退者は減少した」など教育での成果をあげ、安倍政権が来年度予算で高校就学支援金に所得制限を導入することは高校授業料無償化の理念を後退させるものと批判した。

 また、島根県松江市教委が中沢啓治さんが自らの被爆経験をもとに描いた漫画『はだしのゲン』の内容が首を切るシーンや女性への性的暴行など過激な描写に問題があるとして小中学校での閲覧制限を要請したことについて、海江田代表は「耳を疑う事象だ。多くの人に読まれているものを読ませないのは日本の歴史に目をつぶらせることにほかならない」と批判した。松江市教委は26日に協議し、学校図書としての取り扱いについて方針を出す予定。

 なお、日教組定期大会では「憲法・子どもの権利条約の理念を実現しよう」。「教育格差の解消」などをかかげるとともに、安倍政権での右傾化に警戒感を強め「教え子を再び戦場に送るな!」とのスローガンが壇上にあった。

 日教組の加藤良輔中央執行委員長は「(青年層を中心に国民の間に)偏ったナショナリズムや歴史認識、人権感覚が広がっている」と危機感を示し「教育の課題を解決する道筋の中でこのことを訴えるとともに、民主主義社会の形成者を育んでいく」とアピールした。(編集担当:森高龍二)