「ダイドーブレンドコーヒー」のメガブランド戦略が奏功 飲料販売部門の今後の成長に期待

2013年08月27日 11:16

 ダイドードリンコ<2590>は8月26日、2014年1月期第2四半期決算を発表した。 連結業績は、売上高は776.50億円で前年同期比10.3%の増収。営業利益は27.48億円で40.6%の減益、経常利益は27.94億円で38.4%の減益、四半期純利益は17.11億円で33.9%の減益となり、1株当たりの四半期純利益は103.31円で前年同期比で52.93円、33.9%減少した。しかし利益については、コストコントロールの徹底により2月に発表した予想を8月17日に上方修正しており、経営努力による改善実績を残している。

 売上高を部門別に見ると、飲料販売部門では果汁飲料は13.2%、茶系飲料は0.5%それぞれ減少したが、主力のコーヒー飲料が「ダイドーブレンド 微糖」「ダイドーブレンド BLACK」の新製品効果も寄与して1.2%増加した。定価販売の自動販売機での収益率の高いコーヒー飲料を中心に販売することで、安定した財務基盤とキャッシュフローを確保し、その原資を「ダイドーブレンドコーヒー」のメガブランド化という戦略に活用していくビジネスモデルは評価できる。

 また、今夏は猛暑効果もあり、「スピードアスリート」に代表される機能性飲料は13.1%増と2ケタの伸びをみせ、ミネラルウォーター類は4.7%増で、売上に貢献した。飲料販売部門全体では0.1%の減収だったが、第1四半期と比べると減収幅は0.9ポイント圧縮した。

 飲料受託製造部門は「美容と健康」をうたう女性向け商品の開発体制を築き、大手医薬品など有力メーカーが自社生産からOEM生産にシフトしたという事情もあり、多方面から安定した受注を獲得したが、前年同期比では3.9%減にとどまった。

 昨年、ドライフルーツゼリー市場でトップシェアを持つ株式会社たらみを買収し、完全連結子会社化することで加えた食品製造販売部門は、売上高75.10億円で順調に伸びている。ダイドードリンコ、たらみが共同開発した夏の新商品、とろ~り〃おとなの〃贅沢食感ゼリー飲料「甘いひととき白桃ジュレ」は、人気を集めている。

 利益面では今期、「戦略的投下」を図っている飲料販売部門の広告宣伝費が、夏場を控えた第2四半期では前年同期の5.89億円から18.39億円へ約3.1倍に増加し、第2四半期までの累計では前年同期の13.60億円の約2.5倍の34.14億円だった。それを含む販売費及び一般管理費が340.02億円から393.45億円へ53.43億円増加したことが利益の圧迫要因になり、飲料販売部門だけで営業利益を20.3億円押し下げる要因になっている。しかし広告宣伝費は販売促進費とともに第3四半期、第4四半期に売上増、利益増の効果をもたらす可能性がある。

 2014年1月期通期については、売上高は1593億円で7.0%の増収、営業利益は80億円で0.8%の増益、経常利益は77.5億円で0.3%の増益、当期純利益は44.1億円で前期と同額という業績見通しも、中間期30円、期末30円で年間配当60円という配当見通しも変えていない。

 現在の第3四半期(8~10月期)については、決算と同時に発表された8月度の販売状況では前期比でコーヒー飲料が11.3%と2ケタの増収をみせている。プレミアムシリーズに新たに加わった新発売の「ダイドーブレンド・デミタス」シリーズ」が大きく貢献しており、飲料販売部門の通期の増収に向けて明るい話題を提供している。同社では引き続き特に利益率の高い主力のコーヒー飲料について広告宣伝費、販売促進費を積極投入して販売拡大を図っていく方針で、約28万台の自販機チャネルに特化する強みを活かす。

 秋冬の新製品として、コーヒー飲料では「ダイドードリンコ Mコーヒー」「ダイドーブレンド 飲みごたえ微糖」、果汁飲料では「ベリー&ぶどう」、茶系飲料では「Ti-Ha アップルティー」などをすでに投入しており、下期に向けてさらなる売上増を狙っている。(編集担当:寺尾淳)