この時期になると毎年行われるのが各省庁の予算獲得戦争だ。今年は、民主党政権で、各省とも、公共事業などを中心に相当予算を削られており、自民党政権に代わり、旧来型復活予算を目指して、その獲得要求は激化している。
2014年度予算、各省庁の概算要求総額が、一般会計で過去最大規模の99兆円前後に達する未通しとなる事が分かった。また特別会計に分けて計上している、東日本大震災復興予算を加えると、2年連続で100兆円の大台を突破する勢いだ。
概算要求は、次年度に実施したい、事業予算の裏付けを得ようと、各省庁が、毎年この時期に財務省に、経費の総額を示すもので、各省庁の強気の増額が相次いでいる。
今年は「経済再生」を旗印に、公共事業などを含めて、多岐にわたる分野で、予算獲得戦争が行われている。また社会保障や公共事業などにあたる政策経費は、13年度当初予算の70.4兆円を上回る、73兆円程度となる見込みだ。
財務省は、予算要求を8月末までに締め切る。国債費を含めた一般会計ベースで、概算要求の総額は過去最高だった、13年度の98兆円を超える可能性が高い。
復興経費も13年度予算と同程度になる見通し。政府はあくまで経済再生を優先し、6月の骨太方針に、災害に強い国土強靭化や教育、安全保障にも取り組むと明記している。
旧来型予算の復活の兆しも見え、国土交通省は、新幹線整備で13年度予算に比べて17%の増額を要求、道路整備も17%積み上げた。
農林水産省は、民主党政権が大幅に削った土地改良の農業農村整備事業を、22%増やし復元に動く。政府は概算要求基準を同時に閣議了承した中期財政計画で、政策経費の赤字を15年度までの2年間で8兆円縮める計画を立てた。(編集担当:犬藤直也)