復興支援には本当に様々な方法がある。義援金の提供や現地へのボランティアなど、その一つ一つがとても尊いものである。救援物資として人々は衣服を送ったり、音楽家は支援コンサートを現地で開いたりもした。その一方で、被災地の大量の瓦礫を引き取ることを拒絶した地方自治体が多かったのも事実である。しかし、なんといっても必要とされるものの筆頭のひとつとしては、インフラだろう。そして今の時代ならではのインフラといえばやはりコンビニエンスストアだ。
セブン&アイ・ホールディングス<3382>が運営するセブン-イレブン・ジャパンは、復興庁福島復興局ならびに楢葉町からの要請に基づき、楢葉町内にセブン-イレブン「楢葉下小塙仮設店舗店」をオープンした。避難指示区域内への初のコンビニエンスストア出店である。福島県には、2011年3月11日の東日本大震災後の福島第一原発の事故影響による避難指示が出ており、同社は避難指示区域内での店舗営業を休止していた。楢葉町は12年8月に避難指示解除準備区域へ再編され、同町内への立ち入りが可能となり居住者や震災復興関係者からの買い物の場を求める声が多く寄せられたという。そこで今回の出店となったわけである。敷地面積は約 2,050平米メートルで、店舗面積は約200平米メートル。取り扱い品目は約2,800品目。標準的な規模のセブン-イレブン店舗だとしている。
いろいろなリスクが懸念される中でのこの出店は、勇気溢れる決断であり、賞賛されるべきことだ。同社は震災直後の14時50分に対策本部を立ち上げ、情報収集と緊急対応に注力したり、当日には、早くも宮城県にミネラルウォーターなどの緊急支援物資を提供も行っている。また、その後、おにぎりや弁当など、お菓子やカップ麺などの加工食品や日用雑貨などを販売する移動販売車も実施している。避難指示区域内へ出店が、今までなかったことも驚きではあるが、まずは、この出店を祝いたい。(編集担当:久保田雄城)