自民党の高村正彦副総裁は消費税の扱いについて、NHKの世論調査で計画通り来年4月から8%にすることに27%が賛成していることについて「消費税引き上げの当初の議論から関わってきた者としては、かなり理解されているなという気がする」とこの数値を良い数値として受け止めていることを示した。
世論調査では4月の実施を先送りすべき、段階的に引き上げるべき、を合わせ、過半数になっている。実施すべきでないは10%台だった。
高村副総裁は「先送りや段階的引き上げという意見は景気の腰折れを懸念していることなのだろう」とし「消費税を引き上げるのであれば、景気を腰折れさせないようにしないといけないだろうし、10月上旬に総理が決める」とした。
高村副総裁は景気の腰折れをさせないよう「財務省に、大盤振る舞いをせよとは言わないが中盤振る舞いくらいはするようにといっている」とも述べた。
公明党の石井啓一政調会長は「(実際に引きあげる場合には)社会保障の充実や使い道の丁寧な説明をする必要があるし、景気の腰折れがないように、経済政策パッケージを今月中にまとめるよう総理が指示を出されたようだが、丁寧に国民に説明していくことが必要」と語った。また、低所得者対策で簡易な給付などが決まっているが「中所得者層に対しての消費落ち込み対策をする必要があるのではないか」とした。
民主党の長妻昭幹事長代行は「国の借金が1000兆円という中で、2年後に国の赤字を半分に減らすということを国際的にも約束している。達成できないと国債の長期金利など問題が大きくなる」とし、消費税は予定通り上げるべきとの考えを示した。
そのうえで長妻幹事長代行は「消費税を上げるのは社会保障のために上げるということなのに、公共事業の上乗せがかなりあって、今度、5兆円の公共対策を行うということなので、公共事業に流れたり、赤字の半減が達成できないということにならないかと懸念している。3党合意のときの消費税の使い方にきちっと戻してほしい」と消費税を5%上げる際に交わされた財政健全化と全額を社会保障にあてるという枠組みを守るよう求めた。
長妻幹事長代行は「来年4月に3%引き上げられた場合、その3%は社会保障の充実に使われるのかということを国会で聞きたい」とした。
日本維新の会の平沼赳夫国会議員団代表は引き上げるなら必要な経済政策をとった上でとした。みんなの党の浅尾慶一郎幹事長は歳入庁を創設し、社会保険料の徴収漏れを解消することが先だとし、徴収漏れの解消で10兆円程度になるので、3%の消費税引き上げより財源確保になる。消費税増税を凍結し、実質的な成長を待ったほうがいいのではないか、と4月からの引き上げに反対の考えを述べた。
共産党の山下芳生書記局長代行は「国民所得はずっと減り続けている。1997年に比べ、労働者の平均年収は70万円も減った。直近の14ヶ月だけで見ても月給が前年を下回り続けている。こんななかで、消費税をあげると暮らしが壊れるだけでなく、日本経済が壊れる」と4月引き上げに反対するとした。
社会民主党の又市征治幹事長は「消費税導入から税制構造はおかしくなっている」とし「消費税導入から23年間の徴収総額は230兆円になるが、そのうち223兆円が法人税減税に回っている」と批判。「所得税や法人税率を(従前の)最高税率まで戻していくなどで財政難の解決を図るべきだ」と消費税引き上げに反対した。(編集担当:森高龍二)