汚染水対策で国が前面に出て対策をとるべきだが、事故責任は東電にあると社会民主党は12日までに「株主の権利や銀行の貸金を守ったまま、事故処理費用をいきなり国民に回すのはまったく理不尽」として株主責任などを強く訴えている。
社民党は「東京電力福島第一原発の放射能汚染水を入れたタンクから、高濃度の汚染水が漏れ出している。原子力規制委員会はこの事故を国際的な原子力事故評価尺度(INES)でレベル3(重大な異常事象)相当と評価した」と事態の深刻さを示したうえで「タンクからの漏水とは別に、流入する地下水による汚染も深刻化していることから、東電にこれ以上、汚染水対策を任せることはできない。国が前面に出て、責任を持って対策にあたる」のは当然とした。
そのうえで「福島第一原発事故の責任は東京電力にある」とし「事故処理にかかわる費用は除染や賠償の費用と同様、資産の売却、経営陣の報酬削減、業務の見直しなど東電自身の努力によってまかなうべき」と改めて主張。
「株主の権利や銀行の貸金は完全に守られたままなのに、いきなり国民に負担を回すのは、まったく理不尽」と断言した。
政府は汚染水対策では遮水壁工事への対応に407億円のうち、前倒しして今年度予算から205億円を充?し、取り組むこととした。安倍総理がIOC総会で汚染水はコントロールされていると話し管理下にあるとしたことや安全に責任を持つとしたことから、この問題の解決は国際公約になっており、国の責任において実効を早期にあげることが求められている。
一方で、東電の責任が国に移ったわけでなく、責任の主は東電だけに、東電がどれだけ自己努力で責任を果たすのか、税金投入に伴い、国民の目にもはっきり分かる東電再改革が強く求められている。(編集担当:森高龍二)