家庭用PCのメーカーリサイクル開始から10年

2013年09月22日 20:57

 スマートフォンやタブレットの世帯保有率が上がる中、パソコンの保有率については2009年をピークに減少傾向にある。JEITA「2013年度パーソナルコンピュータ国内出荷実績」によると、4月~6月の出荷台数はデスクトップ64万7,000台(前年比90.4パーセント)、ノート型164万5,000台(前年比79.0パーセント)であり、13年度におけるパソコン保有率も減少することが考えられる。

 資源の有効な利用の促進に関する法律に基づく、家庭用パソコンの回収、リサイクルが義務づけられ今年で10年。パソコンおよびパソコン用ディスプレーの3R(リデュース、リユース、リサイクル)を促進している、一般社団法人パソコン3R推進協会の「家庭から廃棄される使用済パソコンの回収・リサイクル実績」によると、開始当初の03年10月に回収されたパソコンの台数は7,566台であったものの、13年4月~6月はデスクトップ型・パソコン本体3万1,457台、ノート型3万7,070台、CRTディスプレイ装置9,738台、液晶ディスプレイ装置3万4,280台の合計11万2,545台であり、これまでの回収、リサイクル台数の累計は300万台を突破している。

 家庭用パソコンの回収、リサイクルは、消費者の負担が少ない廃棄システムである。パソコンメーカーの窓口に連絡後、パソコンはエコゆうパックを使って送るが、通常のゆうパックと同様で、集荷も可能である。また、料金は03年10月以降に購入したパソコンであれば無料。回収されたパソコンは、銅、鉄、アルミ、希少金属、プラスチック、ガラスなどに分別、再資源化され、新たな製品に生まれ変わる。

 一般的にハードディスクの寿命が5年といわれていることから、この5年から8年を目安にパソコンの買い換えを検討する人が多い。また、最近ではスマートフォンやタブレットのめまぐるしい進化の中で、購入後5年未満のパソコンを手放す人も増えていることから、今後、一時的に廃棄されるパソコンが増えることが考えられる。メーカーを通じてリサイクルをする場合、データ消去の手間がかかることはやや不満ではあるが、限られた資源を有効利用するためにも、このシステムを覚えておきたい。(編集担当:中村小麦)