富士通、法人向けモバイル事業の強化へ

2013年08月31日 20:36

 27日、富士通<(6702>は、スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット(多機能携帯端末)といった、モバイル機器分野における法人向け事業を強化すると発表。企業や自治体、さらには病院や農業従事者などに対して、モバイル端末販売からセキュリティ基盤の構築、情報システム設計・運用、コンサルティングまでを一貫して提供する予定だ。

 2013年度の、富士通の同事業による売上高は12年度比で27%増の、おおよそ2300億円。これを15年度には2.2倍の4000億円にする目標を掲げている。なお12年度は1800億円だった。この目標値には、法人向けのスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどのモバイル端末販売も含まれている。

 今回の発表では、法人向けのモバイル関連製品やサービスを顧客に対して分かりやすくメニュー化した「モバイルイニシアチブ」といったものも明らかにされ、これまで生命保険などの一部の業界だけに限られていたタブレットなどの専用端末の開発や製造を、幅広く展開して行く模様。さらに、顧客である企業の要望に応じて、部品を選択出来るだけでなく、端末の形態なども顧客がカスタマイズ出来るようにすると述べた。

 効率良く業務を進めるため、また、新しいサービスを提供するために、モバイルを活用したいと考える企業は多いものの、その導入や管理、アプリ開発に対して不安を持つ傾向もあった。今回の富士通の発表は、そうした不安を持つ企業に対して、ハードウェアからソフト、サービスに至るまで幅広くメニュー化することで、その事業の拡大を目指すものだ。

 富士通によれば、ここ3年でモバイル端末を活用した法人向け商談は累計で7000件という実績があり、12年度はその商談件数が前年比の4倍、受注については6倍もの伸びがあったという。さらに富士通の統合商品戦略本部・阪井洋之本部長同社によれば、現在、富士通の法人向け端末のシェアは「20%を切っている」状況だが、15年度にはそれを25%くらいに引き上げたい考えがあるようだ。(編集担当:滝川幸平)