KDDI、他社から契約者転入により「良い結果」

2013年10月03日 09:05

 2日、KDDI<9433>の田中孝司社長は、9月の携帯電話契約数について、ソフトバンク<9984>とNTTドコモ<9437>からの顧客が転入したことを明らかにした。

 これまで携帯電話の契約者数は、KDDI、ソフトバンク、ドコモの主要3社のうち、ただ一社米アップルの人気商品「i Phone(アイフォーン)」を取り扱っていなかったドコモからの「顧客流出」が続いていた。しかし9月20日の新モデル発売を機に、ドコモも「i Phone」の販売を開始したことで、主要3社のすべてで「i Phone(アイフォーン)」が取り扱われるようになり、これにより契約者の流れにどのような変化が起きるのか、その動向に注目が集まっていた。

 携帯電話の新商品発表会にて会見を行った、KDDIの田中社長は、「幸いなことに、(ドコモがiPhoneの販売を開始した)20日以降も、ドコモ、ソフトバンクの両社から契約者の転入が続いている。iPhoneの在庫があまりない中で、よく出来たなと思っている」とコメントした。転入してきた契約者の具体的な数字については触れなかったものの、「我々として非常に良い結果となった」と述べている。

 一方、9月30日に新商品発表のために会見を行った、ソフトバンクの孫正義社長は、ドコモのiPhone販売について、「4~5年前からシミュレーションしていた。4年前なら壊滅的な打撃を受けたかもしれないが、ネットワークのつながりやすさが改善されてきて、(ソフトバンクは)スマートフォンで一番となった。ネットワークに不満を感じて、ドコモやauに流れて行くということは、ほとんどなくなった。実際にドコモがi Phone発売しても、そういうことはなかったというのが、今の状況だ」と語った。

 また孫社長は、ドコモが「ツートップ」という戦略で機種を絞り込んだことを例に挙げて、「これからユーザーが携帯会社を選択する際には、数多くの種類の端末があるかどうかではなく、どれくらいネットワークが優れているかどうか。それを競争していく時代になった」と話した。

 9月の携帯電話契約数は、各社とも10月7日に発表する予定。(編集担当:滝川幸平)