マツダ・アクセラが放つ三本の矢とは?

2013年10月12日 13:17

Axela S

新型アクセラ。気になるディーゼル車に加えて3本目の“矢”「ハイブリッド」は日本国内専用

 2003年にデビューしたマツダ3(日本名:アクセラ)が3代目に生まれ変わった。20世紀のマツダの屋台骨を支えた「ファミリア」の後継として登場。アクセラは、この10年で120カ国、370万台が販売され、マツダ総販売台数の30%超の基幹車種である。
 
 10月10日から予約を受け付けた新型の“売り”は言うまでも無い。「CX-5」「アテンザ」で示した環境性能技術の総称「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」を結集して搭載したことにある。前記「CX-5」「アテンザ」2車種の環境性能をアピールしたSKYACTIVメカニズムの代表は、新世代のディーゼルエンジンだった。が、今回のアクセラには省燃費ガソリン&ディーゼルエンジンにもうひとつ加えた「3本目の矢」があった。

 それは、省燃費を実現したSKYACTIV-G(ガソリンエンジン)、SKYACTIV-D(クリーンディーゼルエンジン)に加えて、遂にマツダもSKYACTIV-HYBRID(ハイブリッド)をラインアップしたのだ。この3種類のパワートレーンを同一車種にラインアップするのは、ドイツ車以外では初めてで、日本車初となる。

 アクセラのボディは、“スポーツ”と呼称する5ドアハッチバック(HB)車と4ドアセダンの2種だ。いわゆるグローバルなサイズでは「Cセグメント」に位置するモデルで、HB車のボディサイズは全長×全幅×全高4460×1795×1470mm。フォルクスワーゲン・ゴルフやプジョー308に比べて全長が200mmほど長いが、幅と高さはほぼ同等といえる。まさに真っ向からぶつかるサイズである。

 この2種のボディと3種のパワートレーン(ガソリンは1500ccと2000ccの2タイプ)の組み合わせで、新型アクセラのラインナップが決まるのだが、その構成は非常に複雑だ。HB車とセダンの両方に搭載しているエンジンは1500ccのガソリンだけ。2000ccガソリンと2200ccディーゼルはHB車のみに搭載。ハイブリッド搭載車はセダンだけとなる。しかも、ハイブリッド車は当面、日本国内専用モデルだ。つまり、もっとも競争が苛烈で販売実績もある欧州では、従来どおりHB車を軸に「ガソリン&ディーゼル連合」で臨むわけだ。

 ハイブリッドシステムは、トヨタから技術供与を受けたメカで、エンジンは2000ccのHV専用のSKYACTIV-G2.0だ。この出力&トルクは99ps(73kW)/14.5kg.m(142Nm)で、プリウスの1800ccエンジンとまったく同一。これは偶然の一致だろうか。駆動モーターに至ってはプリウスそのもので、82ps(60kW)/21.1kg.m(207Nm)を発生する。システム計の出力は136ps(100kW)。これもプリウスと同一なのである。JC08モード燃費は30.8km/リッターで、これもプリウスとほぼ同じ値である。

 興味が湧くのは、2200ccディーゼルモデルだ。アテンザなどと共通のエンジンを搭載し、6速マニュアルと6速オートマティックから選択できるHBモデル。これは完全にフォルクスワーゲン・ゴルフGTD(日本未発売のディーゼル搭載のGTモデル)を仮想敵とした仕様。いっそのこと「MAZDA 3 GTD」とすべきだったのではなかろうか?(編集担当:吉田恒)