自民・公明・民主の3党はタクシー業界の行きすぎた規制緩和を是正するため「タクシー減車法案」を30日、衆議院に提出した。「供給過剰によって、運転手の賃金低下だけでなく、公共交通機関としての安全性が損なわれている部分もある」と減車の必要を提起している。
また、今回の法案は「規制緩和に逆行するのではないか」という声に対しては「2階建ての家に例えれば、1階部分は依然として規制緩和、自由」とし「行き過ぎた競争が起きている、あるいは解消されていない地域については2階部分で地域での話し合いによって減車・休車を確実に担保するのが今回の法律」と説明。
また「大手のタクシー事業者が優位になって、中小のタクシー事業者の営業努力をつぶしたり、新規参入ができなくなるのではないか」という声には「地域の計画を作るときに中小事業者の意見も十分に聞いて配慮することを今回の法案に盛り込んでいる」とし「具体的にどうするかは、国土交通省が作るガイドラインを通じて、中小事業者つぶしにならないように配慮を行う」としている。
タクシー業界は2002年の改正道路運送法施行以来、新規参入などでタクシー台数が増える一方、長期のデフレで利用者が減るなど、厳しい状況が続いている。特に運転手の手取り額が減っているほか、過重労働も懸念されている。(編集担当:森高龍二)