【今週の展望】「安倍相場1周年」までは我慢のしどころか

2013年11月04日 20:04

 海外の経済指標は、4日はフランス、ドイツ、ユーロ圏の10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)確報値、アメリカの8月、9月の製造業受注、5日はアメリカの10月のISM非製造業景況指数、6日はフランス、ドイツ、ユーロ圏の10月のサービス業購買担当者景気指数(PMI)確報値、ユーロ圏の9月の小売売上高、ドイツの9月の製造業受注、アメリカの9月のCB景気先行総合指数、7日はドイツの9月の鉱工業生産、アメリカの7~9月期の国内総生産(GDP)、9月の消費者信用残高、8日は中国の10月の貿易収支、ドイツの9月の貿易・経常収支、フランスの9月の貿易・経常収支、鉱工業生産、アメリカの10月の失業率、非農業部門雇用者数、9月の個人所得、個人収支、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、9日は中国の10月の消費者物価、鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資が、それぞれ発表される。

 11月の第1月曜日の翌日はアメリカでは「エレクション・デー(選挙の日)」で、今年は5日に州知事選挙、市長選挙の投票日が集中する。注目されるのはバージニア州知事、ニュージャージー州知事、NY市長、アトランタ市長、ヒューストン市長など。10月の政府機関閉鎖で評判を落とした共和党、とりわけティーパーティーのような超保守派に有権者がどんな審判を下すか。共和党が大敗すれば債務上限問題でオバマ大統領に追い風が吹く。なお、バージニア州知事選挙でヒラリー・クリントン前国務長官が支援するマコーリフ候補が勝てば、ヒラリー氏が民主党の次期大統領候補指名争いの一番手に浮上するとみられている。

 各国の中央銀行では、5日はオーストラリア準備銀行で理事会、6~7日はイングランド銀行で金融政策委員会が開かれる。7日はECB(欧州中央銀行)の定例理事会が開催され、終了後にドラギECB総裁が記者会見を行う。今週はECBの追加緩和観測が出てユーロ安になっていた。5~6日にはジュネーブでWTO(世界貿易機関)の一般理事会が開催される。9~12日、中国では共産党第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が開催され、経済政策も議題になる。

 アメリカの主要企業の決算は、4日はケロッグ、5日はテスラ・モーターズ、マイケル・コース、トランス・カナダ、6日はラルフローレン、クアルコム、7日はウォルト・ディズニー、エヌディビア、プライスライン・ドット・コムが発表する。

 今週の日経平均終値の変動レンジは14201~14502円だった。10月のSQ値(14349円)や25日移動平均線も歯止めにならず、先物主導で下値探りの急落がたびたび起きた。決算発表シーズンの本格化で薄商いには改善の兆しが見えるが、上昇するエネルギーに乏しい相場が続いていた。

 決算は、決して悪くない。後で数字を集計すれば対前年同期比で「上場企業、目覚ましい業績改善」という新聞の見出しがつくことになりそうだが、個々の銘柄については、「市場予測に足りない」「7~9月期は4~6月期より悪化した」「想定為替レートを引き上げて余裕がない」「業績観測報道で織り込み済みで材料出尽くし」など、良くてもどこかにケチがついて、好業績が必ずしも株価上昇につながっていない。通期業績見通しを上方修正しても市場予測に届かなければ売られるのだから、下方修正でもしようものなら、容赦のない売り浴びせで株価はどん底に突き落とされる。「秋の決算発表シーズンには好業績に後押しされて日経平均は15000円突破」という見通しが、いかに甘いものだったかを思い知らされたのが、先週だった。