東京モーターショー展示で、生真面目でストイックに徹したマツダ「SKYACTIV-CNG」に注目

2013年11月27日 08:03

skyactiv-cng

ガソリンとCNG(圧縮天然ガス)の両方の燃料で走る「SKYACTIV-CNG(スカイアクティブ・シーエヌジー)コンセプト」概念図

 派手な演出と「コンセプトカー」とは謳いながら現実味の無い“劇画もどき”のモデルでモーターショーを演出するメーカーは“ゼロ”とはいえないが激減した。43回を数えた今回の東京モーターショー(TMS)で“劇画もどき”だったのは、どのメーカーとは明言しないが、国内1社だけと思える。

 多くのメーカーが非常に真面目に現行車種と近日デビューするモデルを丁寧に紹介している。ある意味で地味で華やかさに欠けるとも言えるが、個人的にはなかなか悪くないオートショーのトレンドだと思う。

 なかでも、ストイックなほどに自社技術の丁寧な解説に徹していたマツダのブースは異色だった。もしかしたら来年、初代モデルよりも小さくなって登場するかもしれないと噂の「次期ロードスターのスタディモデルがあるのでは?」などと期待をして出かけてみた。が、すでに発表がすんでいる同車の新型アクセラを中心に、マツダが標榜する自動車の環境性能と安全性能、そしてダイナミックパフォーマンスを同時に引き上げる“SKYACTIV(スカイアクティブ)”技術を中心に、同車の安全思想“MAZDA PROACTIV SAFETY“、デザインコンセプト“魂動(こどう)”、新システム“MAZDA CONNECT”の技術訴求に終始していたといっても過言では無い。

 そんなブースのなかで筆者が注目したのは、石油(ガソリン、軽油)に変わる自動車の代替エネルギーに注目した技術開発だ。代替燃料には、電気。水素、バイオマス燃料や天然ガスなどがある。マツダではガソリンよりオクタン価が高い特性を持ち、高圧縮比での燃焼に適したバイオエタノール、CNG(圧縮天然ガス)に注目して研究。

 今回のTMSで初公開した「Mazda3 SKYACTIV-CNG(スカイアクティブ・シーエヌジー)コンセプト」は、同車のガソリンエンジンSKYACTIV-G 2.0をベースにしたガソリンとCNGの両方の燃料で走ることができるデュアル燃料方式エンジン、CNGタンクなどを搭載したコンセプトモデルだ。参考出品ではあるが、その完成度はそうとう高いと思われる。新型アクセラの2リッター・ガソリン仕様セダンをベースに開発したモデルだ。

 こうした2種類の燃料を使うクルマは1990年代から各社で研究が進められ、筆者も90年代半ばにボルボV70をベースにした“by Fuel”に試乗したことがある。そのモデルは使用燃料を切り替えることで満タンでの走行距離が1200kmに達したという記憶がある。運動性能にはまったく違和感が無かった。このマツダのSKYACTIV-CNGも一度触ってみたいクルマである。(編集担当:吉田恒)