特例秘密保護法案は自民・公明・みんな・維新の4党修正案が26日の衆議院本会議に緊急上程され、午後8時10分過ぎ、自民・公明・みんなの党などの賛成多数で可決。審議の場を参議院に移した。維新は審議が十分尽くされていないとして、採決に抗議の意味から途中退席した。
福島県での地方公聴会で出た意見は法案に『反対』ないし『慎重審議を求める』声ばかりだったが、そうした中での翌日の強行採決となった。
午前に開かれた衆議院特別委員会では審議も十分尽くされないまま、自民党が動議を出し、強行採決に持ち込み、法案を可決。社民党の福島みずほ副党首は「反対討論もさせず、しかも(法案責任者の)総理を退席させての採決はひどい」と怒った。そうした中で午後の本会議へ。
日本共産党の赤嶺政賢議員や生活の党の玉城デニー議員は審議を尽くさず採決に持ち込んだ姿勢に「暴挙だ」と政府・与党の対応を本会議で厳しく批判した。
大方の国民が慎重審議を望んでいるなかで、政府・与党は12月6日までの今臨時国会会期内での成立をめざすことを最優先。民主・生活・共産・社民などから批判が相次いでいる。
安倍晋三総理は「40時間を超える審議をしてきた」と十分審議を尽くし、国民の懸念する問題が起こらないよう重層にチェックが行われる仕組みがなされている、とした。
しかし、社民党は「何が秘密にあたるかを列挙した法案別表について『その他』の文言を3箇所削除したものの、行政機関の長の判断次第で恣意的に秘密の範囲が際限なく拡大する危険性は何も変わらない」と恣意的に政府が情報を隠蔽する可能性のリスクをなくす担保がなされていないと批判。
また、特定秘密指定や解除、適性評価の実施状況に関して国会や有識者会議に毎年報告し、公表するとしていることについても「指定の妥当性を個別にチェックできず、指定件数など概要の事後報告にとどまる可能性が強い」などと警戒を強めている。
参議院では民主党案の中身を審議の中で、どこまで反映させることができるか、与党を経験した野党としての能力が問われることになる。また、政府・与党は特定秘密保護法に対する国民の心配や疑念の部分をどこまでクリアに解消できるか、その責任は重い。(編集担当:森高龍二)