自民党の高村正彦副総裁は特定秘密保護法案の扱いについて24日のNHK番組で「参議院の審議日程もしっかり踏まえ、今国会で成立させる」との考えを示した。今臨時国会の会期(12月6日が会期末)や参議院での審議日程から逆算すると今週前半に衆議院通過の必要があり、25日からの各党の対応が注目されそう。
自民・公明は26日に衆議院を通過させたい考え。自公ともに少しでも野党の賛同を得るため、修正協議をすすめ、国民の知る権利とのバランスで『精度の高い法制』をしたい考えだが、一方で、会期延長することなく、今国会での成立を目指す方針を変えていない。
公明党の北側一雄副代表も「法案内容に対し誤解もあるようなので、法案の内容を周知する必要がある」としながらも「衆議院通過のタイミングがもう少し遅れてもいいということか」との司会者の質問には「そうは思っていない」と26日通過を目指す意向を示した。
ただ、廃案にすべきとしている日本共産党や社会民主党など法制そのものに反対する党以外の野党も時間をかけて審議は慎重にすべきとの考えが強く、自公との法案修正協議に合意している日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長も時間をかけて議論すべきで、急ぐべきでないとの考えだ。
松野幹事長は26日の特別委員会での法案採決には簡単に応じられないとの考えを示した。松野幹事長は「26日の本会議に緊急上程する(特別委員会で採決したその日に本会議にかける)ということは26日午前中の3時間の審議時間しかとれない」と審議を尽くすには時間が足りないとの考えを述べるとともに「秘密の範囲を絞る、それをチェックする、完全な情報公開をする、この点をきちんと政府答弁としてもらえないと、とても採決に応じられることではない」と語った。
また松野幹事長は「世論調査でも秘密保護法制を5割以上が必要と思っているが、一方で、7割が急いで成立させるべきではない、慎重に議論すべきとしている。それに沿うよう慎重に議論すべきで、この法案のどこに緊急性があるのか」と、今国会での成立を急ぐ政府・与党をけん制した。(編集担当:森高龍二)