特定秘密保護法案は与党の強行で、会期内成立が確実になった。その一方で、与党は国民の不安を解消する方策のひとつとして、5日、法案成立後に情報保全監察に関する組織を政令で内閣府に新設する案も提示した。独立性の高い機関にしていくことも検討するとしている。
新設の組織は特定秘密の指定や解除の適否の検証、監察をはじめ、特定秘密の有効期間の設定、延長の適否の監察、秘密が記録された公文書の管理の検証・監察などを行い、不適切なものに是正を求める。
また秘密の記された公文書の廃棄の可否の判断を行う機能も持たせる。これらは、法案修正で合意した日本維新の会が、情報保全が適切に行われているか、恣意的運用がないかをより厳格にチェックできる独立性の高い機関が必要としていることに配慮する内容になっている。
法案成立後に森まさこ法案担当大臣が法施行までに必要な制度を構築していくことになるが、実効をどこまであげることができるか、法案成立後も具体化には紆余曲折が予想される。
特定秘密保護法案は国家機密の漏えいに対し、厳罰に処すとするもので、安全保障上の機密情報を米国らと共有するうえで、米国らに情報共有を担保する手段として必要だとして、政府・与党は「日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増すなかで、是非、日米間での情報共有が必要で、日本版NSCを実効あるものにするためにも、必要だ」と主張して、早期の法案成立を目指しているもの。公務員らが秘密を漏らした場合、最高10年の懲役を科す。(編集担当:森高龍二)