文部科学省は2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、小・中・高等学校での英語教育を抜本的に改革する。計画では、数年後に小学5~6年で英語が正式教科となり、中学校では英語の授業が基本的に英語で行われる予定だ。グローバル化の進展で、ビジネス英語の重要性を実感する人も多いだろう。
ところが現実的には多くの人が、社会人になり年代が上がるにつれて、英語への関心を低下させているようだ。株式会社クロス・マーケティングの「グローバル化と英語に関する実態調査」(※注)によると、英語力、英語の必要性、英語に対する意欲の全項目で平均を上回ったのは学生で、年代が上がるにつれ、それらは大きく低下することが分かった。
自身の英語力については、41.6%が「英語は話せない」、30.4%が「(挨拶や食事のオーダーなど)単語を羅列させる程度」と回答。両者を合わせると、全体の7割以上が「英語をほとんど話せない」と答えている。
性別・年代別でみると、「単語を羅列させる程度」「英語は話せない」と答えた割合は、男女ともに学生が最も低く、年代が上がるにつれて苦手意識が高まっているようだ。
職業別で「日常会話において十分なコミュニケーションがとれるレベル以上」と答えた割合が最も高いのは、「会社勤務(経営者・役員・管理職)」で15%。一方、この層は「英語は話せない」との回答も50%以上で、最も高い。管理職以上のビジネスパーソンは「英語ができる」基準を厳しく考えているため、苦手意識も強まっているのかもしれない。
英語の学習意欲については、全体の57%が「学びたい」「やや学びたい」と回答。しかしその割合は、年代が上がるにつれて低下している。学習意欲が最も高いのは男女ともに学生で、学生の英語に対する関心の高さがうかがえる。
政府は2020年に向け「グローバルに活躍できる人材」を育てようとしているが、多くの日本人は日常的に英語を使うことがなく、学習意欲もそれほど高くないのだろう。(編集担当:北条かや)
(※注:調査対象は20~49歳の男女1200名、方法はインターネットリサーチ、実施期間は2013年11月26日~27日)