大学レベルの講義を無償で提供する“大規模公開オンライン教育”のプラットフォーム提供・認知拡大を推進する「一般社団法人 日本オープンオンライン教育推進協議会(略称:JMOOC)」が設立された。11月より運営を開始する。大学の有する専門教育知識だけでなく企業の保有する実践的実学知識の提供も積極的に行い、知識社会の基盤形成を推進し、本格的な継続学習社会の実現を目指していくという。
オープンオンライン教育は米国 米国のマサチューセッツ工科大学が2001年に発表したOCW(オープンコースウェア)に端を発している。現在、世界全体では49カ国、277組織が参加する規模となっており、約25000科目が公開されている。さらに12年からは米国を中心に10万人規模の登録者が世界中から学習する ムーク(Massive Open Online Courses)が急速に発展している。
代表的なムークである「Coursera」および「edX」 は米国内だけではなくヨーロッパ・アジアの大学(東京大学、京都大学を含む)も参加し、世界的な規模に発展しつつある状況である。またその利用形態も大学が正規の単位として認定する動きや認定資格を企業の採用基準として活用するなど、社会的な流れになりつつある。
しかし英語講義であることや一流大学であることなど、大学の参加には制限があり、現状日本のすべての大学が参加するのは厳しい状況にある。
こういった背景から、日本においても早急に環境の構築を進める必要があり、そこで、このような学習環境の提供・拡大・推進していくために NTTドコモ<9437>、住友商事<8053>、富士通<6702>、ネットラーニングらの企業や大学、有識者の協力のもと、JMOOCが設立された。
今後の活動は、13の大学(大阪大学、九州大学、京都大学、慶應義塾大学、国際教養大学、東京大学、広島大学、文化学園、放送大学、北海道大学、明治大学、立命館大学、早稲田大学)と企業との連携のもとで基盤形成に必要なコンテンツ作成・蓄積、配信プラットフォーム構築を14年春を目標として行う。その後4月以降に、順次オンライン講座を開講していく予定である。
学生だけではなく、知的好奇心旺盛な社会人にとって新たな学びの場の登場は真に有意義な試みである。(編集担当:久保田雄城)