法人へのリース販売だけだったアコード・プラグインハイブリッドに安全装備を標準装備した新グレード「SX」を設定し、個人ユーザーを対象に12月20日から台数限定でリース販売をスタート。価格は500.0万円。
2013年、Honda Carsのトピックスは、新たなハイブリッドシステムにある。トヨタの独壇場だった2モーターのパラレル型ハイブリッドとは異なる1モーター型IMAで対抗してきたが、6月に登場したアコード・ハイブリッドに「SPORT HYBRID(スポーツハイブリッド)i-MMD」を搭載。独自のハイブリッド技術でひとつのブレークスルーを果たした。
新しい「SPORT HYBRID i-MMD」、発進と低中速域のクルーズ時は主にモーターのみで走行し、加速時などはエンジンで発電しモーターで走行、高速クルーズは主にエンジンで走行するなど、EVドライブ、ハイブリッドドライブ、エンジンドライブの3つのモードを自動的に切り替えて走行するメカニズム。これによって全長×全幅×全高4915×1850×1465mm、車重1630kgのミドルサイズセダンながら軽自動車トップクラス並みの30.0km/リッター(JC08モード燃費)という圧倒的な低燃費を実現した。
新型アコード・ハイブリッドは、発売後約1ヵ月の7月21日で累計受注台数が、月間販売計画の約7倍となる7000台に達し、それ以降の受注分は年内納車が難しい状況となった。セダン受難のなか好調な立ち上がりとなった。
また、法人へのリース販売だけだったアコード・プラグインハイブリッドの外部給電機能を廃止し、前走車との速度差が一定以下の場合は自動ブレーキによる衝突回避が可能な進化型CMBS(衝突軽減ブレーキ)などの先進安全装備を標準装備した新グレード「SX」を設定し、個人ユーザーを対象に12月20日から台数限定でリース販売をスタートさせた。価格は500.0万円。
アコード発表後、同社のベストセラーモデルである新型フィットを9月にリリース。注目の1.5リッターi-VTEC+i-DCD(Intelligent dual clutch drive)ハイブリッドシステム搭載モデルが発表となった。これは1モーターハイブリッドながらふたつのクラッチを用いたEV走行が可能となり、発表時には世界最高燃費JC08モード36.4km/リッターを達成した。この値は先代フィット・ハイブリッドシステムIMAに比べて35%以上の燃費向上となった。なお、この新型から走行用バッテリーはリチウムイオン電池となり、ここでも効率アップが図られた。
そして、Honda Sport Hybridの第3弾が12月20日発売のヴェゼルだ。コンパクトなクロスオーバーSUVとして、1.5リッターi-VTEC+i-DCD(Intelligent dual clutch drive)ハイブリッドシステム搭載モデルがラインアップされている。フィットと異なるのはガソリンエンジンで、アトキンソンサイクルのフィットに対して、ヴェゼルが高出力の直噴ガソリンエンジンと使う。駆動方式はFFと4WDが用意され、ハイブリッド車のJC08モード燃費は21.6-27.0km/リッターを達成。この4WDシステムはフィットにも移植される。
ハイブリッドとは別に、ミニバン市場での逆襲のために投入した新型オデッセイも注目株だ。大きくコンセプト変え背が高くなった新型は、発売後約1ヵ月の2013年12月1日現在、月間販売計画の3倍の1万2000台を超える受注台数だという。
日本の自動車は「ハイブリッドかミニバン、軽自動車しか売れない」と言われて長い。ホンダの2013年は新世代ハイブリッド3連発、オデッセイの逆襲、N BOXの軽自動車販売ナンバーワンで終える。(編集担当:吉田恒)