和洋菓子・デザート市場が拡大 コンビニスイーツ好調で

2013年12月28日 18:29

 国内のスイーツ市場が拡大に転じている。矢野経済研究所によると、2012年度の国内和洋菓子・デザート類市場は前年度比2.7%増の2兆1096億円(メーカー出荷金額ベース)。11年度は震災でやや縮小したが、12年度はコンビニスイーツに代表される洋菓子やヨーグルト、アイス類が全体を牽引し、拡大に転じた。

 ここ数年は虚礼廃止の傾向が定着し、お中元・お歳暮などのギフト需要が縮小。百貨店を主戦場とする和洋菓子メーカーが苦戦し、市場は停滞気味だった。だが震災をきっかけに人々の「絆」が見直され、個人的なプレゼントや手土産(お土産類なども含む)が堅調に推移。これらの需要を洋菓子メーカーが主に取り込み、市場が拡大に転じた。個人的なギフトは中元・歳暮といった進物ギフトと比べて単価は下がるが、菓子業界にとってはありがたい話である。

 さらに好調だったのはコンビニスイーツだ。コンビニ各社では、震災を境に女性やシニア層の利用が増加。こうした新しい顧客を定着させようと、本格的なデザートを強化してきた。モンドセレクション受賞をうたった洋菓子や、高級感を打ち出したエクレアやシュークリーム、また季節限定の栗やカボチャを使ったスイーツなどを次々と売り出し、「洋菓子」部門が伸びた。

 国内スイーツ市場の販売チャネルは、スーパーなどの量販店が36%と最多を占める。一方、2位はコンビニで20.8%、3位が百貨店の19.5%と、コンビニが百貨店をやや上回った。次いで専門店・路面店(ショッピングセンター内の専門店含む)が10.6%、駅関連が3.3%、通販が1.8%、その他が8.1%だった。11年度と比べると、ほとんどの販売チャネルで売上が拡大。スーパーとコンビニが全体を牽引した一方、百貨店はほぼ横ばいだった。

 矢野経済研究所では引き続き、洋菓子、ヨーグルト、アイス類の拡大が続いていることから、13年度の国内スイーツ市場は前年度比1%増の2兆1300億円を見込んでいる。(編集担当:北条かや)