8月にはカナダ出身のサラ・カサノバ氏が日本マクドナルド社長に就任したが、同月以降の売上高は回復するどころか、予想を大幅に下回って推移。10月から打ち出した冬季限定デザートなど新メニューは好評だったが、客数が戻らなかった。
日本マクドナルドホールディングスの業績悪化がいたるところでニュースになっている。同社の2013年12月期の連結経常利益予想は100億円と、前期の237億円から半減する見込みだ。
8月にはカナダ出身のサラ・カサノバ氏が日本マクドナルド社長に就任したが、同月以降の売上高は回復するどころか、予想を大幅に下回って推移。10月から打ち出した冬季限定デザートなど新メニューは好評だったが、客数が戻らなかった。
日経新聞は12月20日の朝刊で、マクドナルドの不振は「コンビニとの競争激化が一因」と報じた。コンビニ各社は、コーヒーやチキンなど店内調理する食品を強化している。これまで、カフェメニューや100円マックで客数を伸ばしてきたマクドナルドの戦略には限界がきているのだ。消費者はコンビニやスーパーの「中食」にシフトしており、マクドナルドの魅力は相対的に色褪せつつある。
一方、消費者が「外食離れ」しているかというと、そうでもない。日本政策金融公庫が全国の男女5000人を対象に調査したところ、20代男性の27%、同女性の25%が「1年前より外食する頻度が増えた」と回答(※注)。外食を増やした人の割合は20代で最も高くなっている。彼らはもともとマクドナルドの中心顧客だったはずだ(同調査では、20代は男女ともに「1人」や「同性の友人」また「配偶者および子どもと一緒に」ハンバーガー店を訪れる割合が高くなっている)。若者の外食頻度が1年前と比べて増えているのに、マクドナルドの客数は減り続けている。彼らにとって、同社の商品は以前ほど魅力的ではなくなっているのかもしれない。
日本マクドナルドは25日、14年の新商品戦略を発表した。1950年代から80年代の米国をイメージした「アメリカンヴィンテージ」シリーズなどが目玉商品となる。一度離れた顧客を取り戻すことができるか。同社の今後に注目が集まっている。(編集担当:北条かや)
(※注:「外食に関する消費者意識と飲食店の経営実態調査」)